株価評価に必要なpegレシオの計算式とスクリーナーを解説。

株式投資家が分析材料としてのひとつとして取り入れている【pegレシオ】

今日の記事ではそんなpegレシオの計算式、実際に役立つ分析手法について詳しく解説していきます。

☆ 投資にはリスクが存在します。自己責任と安全資産の範囲内で検討をお願いします。

 目次

pegレシオとは

割安株を探す分析手法のひとつ

pegレシオは割安株を探すファンダメンタルズ分析手法のひとつです。

pegレシオとはPrice Earnings Growth Ratioを表します。

Growth(成長)そしてRatio(比率)という言葉が意味するように、企業の利益の成長率から株価の割安さなどを推し量る材料として用いられます。

pegレシオはperとeps成長率によって算出されます。

なおperやepsなどの用語に関しては、過去記事でも紹介しています。よければ確認してみてください。

【株価の指標となるepsとは。その意味や計算式について解説します。】

それでは実際に数字を代入しながら、pegレシオについて確認していきましょう。

pegレシオの計算式

pegレシオを計算してみる

pegレシオの計算式は下記の通りです。

pegレシオ = per ÷ eps成長率。

eps成長率 = (当期eps -前期eps)  ÷ 前期eps × 100

計算式だけでは分かりにくいので、A社とB社という上場企業がある仮定で数字を代入して確認してみましょう。

A社のper = 17.7、当期eps = 7000、前期eps = 6000であれば、A社のeps成長率及びpegレシオは下記の通りです。

eps成長率 = (7000 – 6000)÷ 6000 ×100 ≒ 16.67%

pegレシオ = 17.7 ÷ 16.67 ≒ 1.06

B社のper = 17.7、当期eps = 7000、前期eps = 5800であれば、B社のeps成長率及びpegレシオは下記の通りです。

eps成長率 = (7000 – 5800)÷ 5800 ×100 ≒ 20.69%

pegレシオ = 17.7 ÷ 20.69 ≒ 0.86

このようにperが同じA社とB社であっても、eps成長率の高いB社のほうがpegレシオは低く算出されます。つまりpegレシオは低いほうが割安と判断される材料となります。

今回は二社間の比較でしたが、平均pegレシオなど目安を使って割安さを判断することもあります。

pegレシオ分析を活かすには

前述したようにpegレシオは自身で算出することができます。

ただし御覧いただくと分かるように、毎回企業ごとにperやepsそしてeps成長率を調べるのは骨が折れます。

そこで便利なのがpegレシオをあらかじめ計算してくれているwebサイトを用いると便利です。

たとえばSBI証券などで口座を開設していると、スクリーナーの機能を使ってpegレシオを調べることができます。

次項ではそんなスクリーナーの機能や使い方について確認してきましょう。

pegレシオでスクリーニングする

株銘柄のスクリーニングとは

スクリーナーとは『選別機』を指します。

株式投資におけるスクリーナーは、自身の分析手法に応じた銘柄を選別してくれる機能を指します。

たとえば今日出てきた『pegレシオ』もスクリーナーで抽出できる指標のひとつとしても使われています。

自身がお世話になっているSBI証券でも『pegレシオ』でスクリーニングすることができます。

それではまず参考にSBI証券でスクリーニング条件などを設定しながら、pegレシオで銘柄分析をしてみましょう。

SBI証券でpegレシオのスクリーニング

まずはSBI証券へログイン。そしてホームタブをクリックします。

sbi証券でpegレシオをスクリーニングして抽出する

そして下へスクロールして、銘柄スクリーニングをクリックしましょう。

するとスクリーナーの画面へと遷移するので、画面左下端にある検索条件を追加をクリックします。

sbi証券でpegレシオをスクリーニングして抽出するための詳細検索

すると抽出方法の指標一覧が出てくるので、コンセンサスタブをクリックしてpegをチェックしましょう。

そしてpegの数値条件を設定すれば、任意の銘柄を抽出することができます。

今回はpegレシオを0.5から1.5の範囲で抽出してみました。

sbi証券でpegレシオをスクリーニングして銘柄を表示する

上記のようにpegレシオ0.5から1.5の範囲で銘柄一覧が抽出されているのが分かります。

なおSBI証券では予想epsと当期eps、予想perでpegレシオを計算しているようなので、その点は留意しておきましょう。

米国株をpegレシオでスクリーニングするには

米国株のpegレシオを調べるなら『Finviz』便利です。

フィンビズでは様々なファンダメンタルズ分析が可能であり、pegレシオでのスクリーナーも可能です。

Finvizでpegレシオを調べるには、まず同サイトへアクセスします。

【Finvizはこちら】

そして『Screener』タブをクリックします。

フィンビズで株投資分析のためにpegレシオを調べる

そして画面真ん中にある「Fundamental」をクリック。そしてpegの項目を見つけましょう。

今回はpegレシオ2未満で調べるため、下記のように『under 2』を選んでみます。

finvizでpegレシオ2でスクリーナーする

すると上記のように、pegレシオ2未満の銘柄が抽出されます。

米国株のpegレシオでのスクリーナーには、Finvizを上手く使ってみましょう。

なおFinvizでは、S&P500の各銘柄の騰落率を一目で確認できるヒートマップ機能も備えています。

そんなフィンビズのヒートマップ表示方法については過去記事でも紹介しています。よければ確認してみてください。

【米国の株価確認で便利な無料で使えるヒートマップについて解説。】

pegレシオ分析の留意点

赤字業績では機能しないことも

さてここまでpegレシオでの分析について確認してきましたが、留意点についてもおさえておきましょう。

まず注意すべきが赤字企業。

赤字企業では利益が出ていないため、そもそも一株あたりの利益を指すepsではあまり上手く分析できません。

そしてそんなeps成長率を計算式に用いるpegレシオも、赤字企業ではあまり有効に働かないことがあります。

そこで便利なのが『アナリストによる業績予想』。

株価評価ではepsのほか、売上も合わせて評価し、アナリスト予想や決算発表と照らし合わせることも大切になります。

そんな『株価とeps、売上とアナリスト予想』に関しては過去記事でも紹介しています。

興味のある方はぜひご覧ください。

米国株価の分析で覚えておきたい証券アナリスト予想とは。

他のファンダメンタルズ分析指標も着目

上記のように利益を出さない企業があれば、どんなファンダメンタルズ分析指標があるかご存じでしょうか。

ひとつの指標に「psr」があります。

psrはPrice to Sales Ratioの略であり、株価売上高倍率を指します。

psrは時価総額と年間売上高で株価を推し量るので、企業利益のみに依存せず株価評価を実施することができます。

そんなpsrの計算方法、確認方法なども過去記事で紹介しています。よければ確認してみてください。

【株価売上倍率(psr)の分析方法について解説していきます。】

pegレシオの計算方法、スクリーニング方法を身に付けて株価評価へ役立てよう。