投資理解に必要な逆金融相場から逆業績相場への移行期とは。

株価のおかれる相場には『逆金融相場』や『逆業績相場』といったステージが存在します。

今日の記事では各相場をステージ毎に分けて、金利や株価、業績の動きをそれぞれ解説していきます。

☆投資にはリスクが存在します。自己責任と安全資産の範囲での検討をお願いします。

目次

逆金融相場から逆業績相場とは

金融相場と業績相場の理解に必要な4つのフェーズ

2021年の金融緩和、そして2022年のインフレーションと利上げ。今後、懸念される景気後退。

『投資』にはそれら金利政策や企業の業績など、社会の流れを汲んでいくことが大切になります。

そしてそれら金利政策や企業業績によりもたらされる『相場』は、大きく分けて4つのフェーズを繰り返していくことになります。

◇ 逆金融相場
◇ 逆業績相場
◇ 金融相場
◇ 業績相場

まずはこれらステージごとに形成される相場の特徴について見ていきましょう。

逆金融相場とは

逆金融相場から逆業績相場への移行とは。

逆金融相場とは景況感良く、業績は向上しているものの、金利上昇により株価が下落に転じていく相場になります。

この相場で特に厳しいのがグロース企業。

『growth』という言葉の通り、グロース企業は成長に重きをおいて先行投資へ力を入れています。

そのため、相対的に抱えている借金の割合が多く、金利上昇ではコストが増えていきます。高コスト、低利益となる高PER企業には痛手です。

逆にファンダメンタルズ分析で割安なバリュー株などが好まれる局面です。

逆業績相場とは

金利政策による利上げで企業業績が低下してくると、各国中央銀行は利下げ政策へ切り替えてきます。

そのときはまだ株価は下落傾向。

こんなとき投資家に好まれるのは『ディフェンシブ銘柄』。

ディフェンシブ銘柄は業績によらず、一定の割合で生活に必要な商品やサービスを提供している銘柄を指します。

なお逆金融相場から逆業績相場への移行期において、何度か株価の反発があります。

反発を見て即『底入れ』と判断せず、業績や景況感を確認しながら投資を検討していきましょう。

金融相場から業績相場とは

金融相場とは

さて逆業績相場を経ると今度は『金融相場』。

このステージでは金利政策における利下げが進行する局面であり、各投資家の景気回復への期待値は高まるといった特徴があります。

そのため景況感や業績の改善の少し手前の状態。

そして利下げによるコスト負担の軽減から、借金など先行投資に力を入れているグロース企業が買われやすくなる局面でもあります。

文字通り『金融相場』は『逆金融相場』と異なる動きが見られます。

業績相場とは

金融相場から業績相場への移行とは。

『金融相場』を経ると今度は『業績相場』。

業績相場は景況感や企業の業績が上昇し続けている段階になります。

そして景気が過熱してくるとインフレーション対策として、また金利政策において金利が上昇に転じていきます。

金利上昇場面となるとそれは逆金融相場となり、グロース企業よりバリュー株が選好されやすくなるタイミングへと移行していきます。

なお金融相場から業績相場への移行期には中間下落も見受けれます。どこが天井かを見極めるのは至難の業ですが、そういった動きがあることも覚えておきましょう。

相場局面を表にまとめてみました

これまで出てきた相場を、特徴別に表としてまとめてみました。

相場のおかれたステージごとに、景況感や金利、株価をカラムとして作成しました。

金融相場から逆業績相場までの表

表にしてみると『金融相場』から『業績相場』、そして『逆金融相場』を経て『逆業績相場』へと循環しているのがよく分かります。

2022年は春よりFRBの利上げが続き、厳しい相場環境におかれた年。

株価の底入れや天井を明確に当てるのは難しいですが、現在おかれている金利政策と株価状況を理解して、これからの投資行動をしっかりと考えていきましょう。

相場と投資の関係性を深めるために

セクターローテーションも理解する

逆金融相場や逆業績相場などの理解と合わせて、大切なのが『セクターローテーション』。

セクターローテーションとは、景況感や金利により選好される株セクターを勘案し、保有銘柄を変更させていく手法です。

セクターローテーションの考え方を例示すると

◇ 金利高く、景気弱いと公共株
◇ 金利低く、景気弱いと通信株
◇ 金利低く、景気強いとハイテク株

といった考え方があります。

詳細なセクターローテーションの考え方については過去記事でも紹介しています。

興味のある方はぜひご覧ください。

景気循環のサイクルから考えるセクターローテーションとは。

市場関係者の金利政策予想を確認する

FRBの金利政策により利上げの続いた2022年。

2023年以降の株価の判断材料を探すなら、今度は利上げ減速、利下げ局面なども見ていく必要があります。

またどこまで利上げするのかといったターミナルレート予想もとっても大事。

そんなFRBの金利政策ですが、市場関係者の利上げや利下げ予想を確認できる方法があります。

詳細な確認方法に関しては過去記事でも取り上げています。

興味のある方はぜひご覧ください。

投資家に役立つ政策金利動向の評価ツールについて解説します。

逆金融相場や逆業績相場など状況を理解して、投資タイミングへ活かしていこう。