10月にはGDP7月-9月発表があり、プラス成長への持ち直しが確認された2022年の米国経済。
そんな米国経済の2022年10月マーケットにおける米国株、ドル円為替相場、日経平均の騰落率を振り返ってみましょう。
☆投資にはリスクが伴います。余裕資金と自己責任の範囲内で検討しましょう。
○ ニューヨークダウは13.95%の上昇
○ S&P500は7.99%の上昇
○ NASDAQは3.9%の上昇
◇ 10月の日経平均やTOPIXなど日本市場
○ 日経平均は6.36%の上昇
○ TOPIXは5.09%上昇
○ 為替ドル円レートは3.969円の円安
◇ 10月の相場関連ニュース
○ 米国7月-9月GDPはプラス成長
○ 米国債金利と株式市場
10月のNYダウ、S&P500など米国市場
ニューヨークダウは13.95%の上昇
ニューヨーク証券取引所、NASDAQ上場の30銘柄から構成されるダウ平均株価。2022年9月30日の終値は28725.52ドルに対して、2022年10月31日の終値は32732.96ドルとなり、2022年10月度の騰落率は13.95%の上昇となりました。
年初来からの騰落率は9.92%の下落となります。
騰落率算出にはDJIを参考に計算しました。
DJI指数チャートより
出典:TradingView.DJIチャート.TradingView
先月は大幅下落で「弱気相場入り」を観測したニューヨークダウジョーンズ平均工業株価。
今月は13.95%の急騰。この地合いがどこまで続くのが注目が集まります。
なお相場の振り返りのために、先月の各インデックスのパフォーマンスについてまとめた記事も添付しておきます。
興味のある方はぜひご覧ください。
S&P500は7.99%の上昇
ニューヨーク証券取引所やNASDAQへ上場している代表500社から構成されるS&P500。2022年9月30日の終値3585.61ドルに対して、2022年10月31日の終値は3871.97ドルとなり、2022年10月度の騰落率は7.99%上昇となりました。
年初来の騰落率は18.76%の下落となります。
騰落率算出にはSPXを参考に計算しました。
SPXチャートより
出典:TradingView.SPXチャート.TradingView
ダウジョーンズほどでは無いにせよ、上昇して少し戻した10月度のS&P500。
ベアマーケットの終わりがいつになるのか、引き続き市況を確認していきましょう。
NASDAQは3.9%の上昇
電子株式市場のNASDAQ。2022年9月30日の終値10575.62ドルに対して、2022年10月31日の終値は10988.15ドルとなり、2022年10月度の騰落率は3.9%の上昇となりました。
年初来の騰落率は29.77%の下落となります。
騰落率算出にはIXICを参考に計算しました。
IXICチャートより
出典:TradingView.IXICチャート.TradingView
10月度の米国株主要3指数で、回復が最も小さったのがNASDAQ。
中央銀行の利上げ継続もあり、テック関連の構成比率の高いNASDAQは苦しい地合いが続いています。
10月の日経平均やTOPIXなど日本市場
米国7月-9月GDPはプラス成長
日本の株式市場を代表する225銘柄で構成される日経平均株価。2022年9月30日の終値25937.14円に対して、2022年10月31日の終値は27587.39円となり、2022年10月度の騰落率は6.36%の上昇で終えました。
年初来の騰落率は4.18%の下落になります。
騰落率算出にはNI225を参考に計算しました。
NI225チャートより
出典:TradingView.NI225チャート.TradingView
10月度は少し持ち直した日経平均株価。
年間騰落率を見ても現時点では米国株指数を上回っています。
ただし円安による割安感で日本株が買われている背景もあるので、少し複雑なところですね。
TOPIXは5.09%上昇
東京証券取引所の時価総額や流動性の高い大型株銘柄で構成されるTOPIX。2022年9月30日の終値は1835.94円に対して、2022年10月31日の終値は1929.43円となり、2022年10月度の騰落率は5.09%上昇で終えました。
年初来の騰落率は3.16%の下落となります。
騰落率算出にはTOPIXを参考に計算しました。
TOPIXチャートより
出典:TradingView.TOPIX指数チャート.TradingView
日経平均と同様にプラスパフォーマンスで終えたTOPIX。
年間騰落率は3.16%で踏みとどまっており、日経平均より下落幅はやや小さめで推移しています。
米国債金利と株式市場
為替相場におけるドル円レートについて着目すると、2022年9月30日の終値は144.718円に対して、2022年10月31日の終値は148.687円となり、2022年10月度のドル円レートは3.969円の円安で終えました。
年初来では33.597円の円安となりました。
騰落率算出にはUSDJPYを参考に計算しました。
USDJPYチャートより
出典:TradingView.USDJPY指数チャート.TradingView
10月半ばには150円をつけたドル円相場。
しかしその後は為替介入もあり140円台後半で推移。為替トレーダーと政府との間でせめぎ合いが続きます。
10月の相場関連ニュース
米国7月-9月GDPはプラス成長
2022年の1月-3月、4月-6月の四半期はそれぞれマイナス成長だった米国GDP。
四半期連続でリセッション入りを噂された米国経済ですが、7月-9月は少し持ち直してプラス成長。
FRBの金利政策による利上げでコスト負担の増すアメリカ企業ですが、まだまだ経済は強い様子です。
特に自身が関心を寄せているのは米国の『雇用』の強さ。
毎月発表される雇用統計ですが、ここ数か月は失業率3%台と強い雇用状況が続いています。
逆に言えば人手不足な企業も多く、賃金を上げてでも雇い入れに力を入れる企業が多いとも考えられます。そして人件費増加もまた小売価格へ転嫁され、インフレへも寄与しているのではないかと考えています。
そんな雇用の強さを確認できる雇用統計ですが、過去記事でも紹介しています。
経済指標の確認の仕方も含めて、興味のある方はぜひご覧ください。
米国債金利と株式市場
前述した雇用の強さと合わせて、もう一つ気になっているのが『米国債金利』
FRBの設定する短期金利とある程度相関する米国債金利ですが、利上げ継続によりその金利もまた2022年は上昇が続いています。
例えば記事執筆時の2022年11月2日では、米国債10年金利は4.038%。
2022年1月3日の米国債10年金利は1.638%だったので、利回りの上昇が続き、反対に米国債価格は下落してどんどん割安になってきています。
米国債が割安になると投資家に買われやすくなります。反対に配当が低いもしくは出ない、そんな利回りの低い企業の株は相対的に買われにくくなります。
おそらくナスダックの不振も、そういった点から来てるのではないかと考えられます。
ちなみに米国債、株などそれぞれの金融商品はしばしば『益利回り』といった計算で、割安さが評価されます。
そんな益利回りに関しては過去記事でも紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
2022年10月は回復を見せた米国株指数。その強さが本物か、今後のマーケットを引き続き確認していきましょう。