平均動向におけるアノマリーでは下落傾向の9月マーケット。
そんな2022年9月の日経平均、米国株、ドル円為替相場のパフォーマスを振り返ってみましょう。
☆投資にはリスクが伴います。余裕資金と自己責任の範囲内で検討しましょう。
○ ニューヨークダウは8.84%の下落
○ S&P500は9.34%の下落
○ NASDAQは10.5%の下落
◇ 9月の日経平均やTOPIXなど日本市場
○ 日経平均は7.67%の下落
○ TOPIXは5.18%下落
○ 為替ドル円レートは5.764円の円安
◇ 9月の相場関連ニュース
○ 着目すべきFOMCでの金利目標
○ 経済指標にみるアメリカ景況感
9月のNYダウ、S&P500など米国市場
ニューヨークダウは8.84%の下落
ニューヨーク証券取引所、NASDAQ上場の30銘柄から構成されるダウ平均株価。2022年8月31日の終値31510.44ドルに対して、2022年9月30日の終値は28725.52ドルとなり、2022年9月度の騰落率は8.84%の下落となりました。
年初来からの騰落率は20.95%の下落となります。
騰落率算出にはDJIを参考に計算しました。
DJI指数チャートより
出典:TradingView.DJIチャート.TradingView
先月より大幅下落のニューヨークダウジョーンズ平均工業株価。
高値からの下落幅は20%を超え「弱気相場入り」を観測しました。
なお相場の振り返りのために、先月の各インデックスのパフォーマンスについてまとめた記事も添付しておきます。
興味のある方はぜひご覧ください。
S&P500は9.34%の下落
ニューヨーク証券取引所やNASDAQへ上場している代表500社から構成されるS&P500。2022年8月31日の終値3954.99ドルに対して、2022年9月30日の終値は3585.61ドルとなり、2022年9月度の騰落率は9.34%下落となりました。
年初来の騰落率は24.77%の下落となります。
騰落率算出にはSPXを参考に計算しました。
SPXチャートより
出典:TradingView.SPXチャート.TradingView
9.34%下落とダウより更に大きく下がったのS&P500。
これまでは2022年6月16日に3666.76ドルが今年の最安値であり、この価格帯がレジスタンスラインとして注目されていました。
しかし9月30日終値はこのラインを割っているため、どこまで下落が続くのか注目されています。
NASDAQは10.5%の下落
電子株式市場のNASDAQ。2022年8月31日の終値11816.2ドルに対して、2022年9月30日の終値は10575.62ドルとなり、2022年9月度の騰落率は10.5%の下落となりました。
年初来の騰落率は32.4%の下落となります。
騰落率算出にはIXICを参考に計算しました。
IXICチャートより
出典:TradingView.IXICチャート.TradingView
9月度の米国株主要3指数で、マイナス10.5%と最も下落率が高かったのがナスダック。
年初来の下落幅は30%を超え、最安値を更新しています。
9月の日経平均やTOPIXなど日本市場
日経平均は7.67%の下落
日本の株式市場を代表する225銘柄で構成される日経平均株価。2022年8月31日の終値28091.46円に対して、2022年9月30日の終値は25937.14円となり、2022年9月度の騰落率は7.67%の下落で終えました。
年初来の騰落率は9.91%の下落になります。
騰落率算出にはNI225を参考に計算しました。
NI225チャートより
出典:TradingView.NI225チャート.TradingView
先月はプラスで終えた日経平均株価ですが、9月度は米国株主要3指数と共にマイナスパフォーマンスで終えています。
TOPIXは5.18%下落
東京証券取引所の時価総額や流動性の高い大型株銘柄で構成されるTOPIX。2022年8月31日の終値1936.16円に対して、2022年9月30日の終値は1835.94円となり、2022年9月度の騰落率は5.18%下落で終えました。
年初来の騰落率は7.85%の下落となります。
騰落率算出にはTOPIXを参考に計算しました。
TOPIXチャートより
出典:TradingView.TOPIX指数チャート.TradingView
日経平均株価と比較すると下落幅は5.18%と比較的小さいものの、9月度はTOPIXもマイナスパフォーマンスで終えています。
為替ドル円レートは5.764円の円安
為替相場におけるドル円レートについて着目すると、2022年8月31日の終値は138.954円に対して、2022年9月30日の終値は144.718円となり、2022年9月度のドル円レートは5.764円の円安で終えました。
年初来では29.628円の円安となりました。
騰落率算出にはUSDJPYを参考に計算しました。
USDJPYチャートより
出典:TradingView.USDJPY指数チャート.TradingView
日米金利差もあり円安の進むドル円相場。
9月度は為替介入もあり140円台まで戻す場面も認めましたが、9月30日は144.718円と最高値を更新しています。
9月の相場関連ニュース
着目すべきFOMCでの金利目標
9月は20日、21日にFOMCが開催され、短期金利0.75%の利上げが決まりました。
ちなみにこの0.75%という利上げ数値は、ジャクソンホールでのパウエル議長のインフレーション徹底抗戦の発言もあり、おおむね予想として織り込まれていた数値でした。
しかし9月FOMC後はマーケット関係者に動揺が走り、米国株指数は下げ止まらないといった結果となりました。
市場関係者が着目したのは短期金利の目標値。
9月FOMC後における2023年予想短期金利目標は、平均4.625%(2022年10月2日の記事執筆時)とあり、この数値が市場関係者の予想を上回り動揺が走ったとされています。
そんな短期金利予想や目標値についての確認方法は、過去記事でも紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
【投資家に役立つ政策金利動向の評価ツールについて解説します。】
経済指標にみるアメリカ景況感
もうひとつ気になったのが経済指標にみるアメリカの景況感。
特に着目したのは下記2つです。
〇9月27日 アメリカ8月新築住宅販売件数(年率換算)
予想 50万件 結果 68.5万件
〇9月30日 アメリカ8月個人消費支出(PCEコアデフレーター)
予想 4.7% 結果4.9%
新築不動産の購入強く、PCEコアデフレーターも予想を上回る結果となり、インフレーション傾向は続いています。
ちなみにPCEコアデフレーターは食品をエネルギーを除く個人消費支出の数値なので、石油や天然ガスを除いた消費の旺盛さも表しています。
これらから10月発表のCPIの数値も高止まりが考えられ、それに伴うタカ派的な金利政策も考えられうるところです。
相場を評価するには経済指標などから景況感を確認することも大切です。
そんな経済指標についてですが過去記事でも紹介しています。ぜひ一度ご覧になり、経済指標についての理解にお役立てください。
年初来最安値を更新した米国主要3指数。景況感や金利政策を確認しながら、株価をしっかり評価していきましょう。