米国株配当にはまず外国税、そして外国税徴収後にまた国内で住民税と所得税が徴収されます。
今日の記事ではその外国税に対する、確定申告の外国税額の控除を申請方法について解説します。
☆ 株取引の投資にはリスクが存在します。余裕資金かつ自己責任で挑みましょう。
○ 米国株の配当には外国税が課税
○ 米国株譲渡益には外国税かからず
○ 米国株の外国税は10%課税
◇ 外国税額控除とは
○ 外国税を控除
○ 外国税額控除申請は確定申告を
◇ 外国税額控除のやり方
○ e-tax『左記以外の所得のある方』を選ぶ
○ 『上場株式の所得等』を選択
○ 『特定口座年間取引報告書』に従って入力
○ 『外国株式配当金支払通知書』も用意
外国税とは
○ 米国株の配当には外国税が課税
これまで米国株の魅力についてお伝えしてきましたが、唯一ネックなのが『外国税』。
外国税ですが、四半期や決算毎に支払われる『配当金』に課税されます。米国の個別銘柄もさることながら、ETFでも配当には外国税が課税されます。
海外の株取引を考えている方は、外国税について調べてから取引に挑みましょう。
○ 米国株譲渡益には外国税かからず
米国株の配当には外国税が課税されることが理解できました。では米国株譲渡益はどうでしょうか。
米国株譲渡益には外国税は課税されません。つまり米国株取引で譲渡益が発生したとき、徴収されるのは20.315%のみになります。
キャピタルゲインいわゆる値上がりによる譲渡益には課税されないので安心しましょう。
○ 米国株の外国税は10%課税
ちなみに米国株の外国税は10%の課税となります。
つまり米国株の配当金は外国税10%、国内で20.315%を徴収された後、おおむね7割が入金される計算になります。
合計3割近くの源泉徴収は、手残りを見たとき寂しく思いますね。ここはしっかり、後述する『外国税額控除』で撮り戻りましょう。
外国税額控除とは
○ 外国税を控除
外国税額控除とはその名の通り『外国税を控除』してくれる制度です。
制度はあっても、その制度を利用しなければ外国税は徴収されたまま。米国株配当の手残りは7割程度しか残りません。
制度の恩恵に預かるためには、確定申告が必要なります。
○ 外国税額控除申請は確定申告を
外国税額控除は確定申告することで、その制度の適用を享受できます。
今回は後述で『書面手入力によるe-taxでの外国税額控除』の方法を記載します。申告にあたっては利用されている証券会社からの書面が必要になります。
『特定口座年間取引報告書』や『外国株式の配当金等の支払い通知書』をお手元に用意、もしくはpdfファイルを確認しましょう。
外国税額控除のやり方
☆ 簡便な『外国税額控除のやり方』の説明となります。分からなければ税務署か税理士への確認をオススメします。
○ e-tax『左記以外の所得のある方』を選ぶ
今回はe-taxでの外国税額控除のやり方を紹介します。e-taxでの申告には利用のための準備が必要です。まずは利用環境を整えましょう。
まずは確定申告書作成コーナーへ。ここで給与年金以外の『左記以外の所得のある方』を選びましょう。
すると生年月日など必要入力項目への入力を要求されるので指示に従います。指示通りに入力を進めていくと、収入金額の入力画面へ進めます。
○ 『上場株式の所得等』を選択
各収入金額の入力画面へ進むと、不動産や給与など様々な収入項目を選択できる帳票が表示されます。
ここでまず『上場株式の所得等』を探しましょう。初期表示で見当たらない場合、下へスクロールしていきましょう。
そして上場株式の所得等といった項目を見つけたらクリック。今回は『特定口座年間取引報告書』の書面を利用した、手入力での申告分離課税になります。なので『申告分離課税』を選択し、『特定口座年間取引報告書』の入力ボタンをクリックして進みましょう。
○ 『特定口座年間取引報告書』に従って入力
特定口座年間取引報告書の入力方法に、『交付データからの入力』と『交付された書面からの入力』の選択肢を提示されます。今回は書面からの手入力なので『交付された書面からの入力』を選択します。
その後は『特定口座年間取引報告書』をお手元に置いて、画面の指示に従いながら入力を進めます。問われるのは源泉徴収の有り無し、保管や配当のチェックの有無、譲渡損益と配当どちらの入力かなどを問われます。
譲渡損益と配当それぞれを書面の通りに入力していきます。
○『外国株式配当金支払通知書』も用意
譲渡損益や配当を入力し終えたら、確定申告書の様式へ戻って、『外国税額控除』をクリックします。
このとき証券会社から発行される『外国株式配当金の支払い通知書』もお手元に用意しておきましょう。通知書に記載された円やドルでの配当金額、徴収された外国税額を入力します。
ちなみにこの作業は一年間で入金された回数だけ、支払通知書を参考にしながら入力します。四半期毎に入金があれば、4枚入力することになります。
上記の入力を終えたら、『調整国外所得の計算』を入力します。この金額は『特定口座年間取引報告書』の『配当蘭』の『国外株式又は国外投資信託など』の欄に年間合計として記載してあります。
その後、『政令指定都市在住か』『繰り越しの有無』などに回答しましょう。そのほか申告項目の入力を終えて、送信すれば申告終了です。