投資家なら知っておくべき【景気循環】
本記事ではセクターローテーションと合わせて、景気サイクルの考え方について紹介していきます。
【免責事項】
本記事は特定の銘柄を推奨するものではなく、投資リスクに関しては一切の責任を負いません。ご自身でのご判断をお願い致します。
○ 景気サイクルとは
○ 景気循環を図解で確認する
○ 投資には景気循環の理解が大切
◇ セクターローテーションの考え方
○ 図解で見るセクターローテーション
○ インフレ移行期と景気が弱い時
○ デフレ移行期と景気が上向いた時
◇ セクターと景況感を確認するために
○ ヒートマップでセクターを理解する
○ 景況感は日々の経済指標を確認する
○ 未単元株取引とセクターローテーション
景気循環について知る
景気サイクルとは
本記事を執筆しているのは2022年10月ですが、春頃より米国のFRBで金利政策において利上げが続いている状況です。
振り返ると2021年は利上げなく、金融緩和継続により経済が下支えされている状況にありました。
しかし2022年の経済指標では、前年同月比で9%を超える米国消費者物価の上昇もあり、インフレーションが懸念されています。
そのためFRBは利上げ政策により物価高を抑え込もうと動いています。そして市場関係者は利上げ目標値を予想し、逆にいつから利下げが始まるかについても模索しています。
このように景気の強さやインフレーション、そして利上げなど金利政策は、「景気サイクル」の中で循環するとされています。
まずは簡単に図解で景気循環について確認していきましょう。
景気循環を図解で確認する
こちらが景気循環を表した図示したものになります。
この景気サイクルを簡単に説明すると下記の通り。
1.景気が強くモノの値段が上がっていけばインフレーション。
2.そして物価コントロールのため金利政策において利上げ方向へ。
3.利上げにより企業の借金負担が増して設備投資が減ると、企業の売り上げも減る。
4.売上が減ると賃金上昇鈍化、人々の購買力も減少して景気が弱くなる。
5.景気が下がって物の値段が下がりデフレーション方向へ。
6.景気対策のため金利政策において利下げ方向へ。
さてこの景気サイクルですが、投資には現在や未来の景況感を考えていくことが大切です。
投資には景気循環の理解が大切
なぜ景気と投資を結び付けて考える必要があるかといえば、景気循環の中で相性の良いセクターが存在すると考えられているからです。
セクターとは『部門』や『区域』を意味します。
たとえば各セクターを構成する会社を例示すると
◆ 不況でも強い商品を扱う会社
◆ 今後の技術革新に期待できる会社
◆ 景気が良くなると選考される商品を扱う会社
といった企業があります。
そして投資で良いパフォーマンスを得るためにも、景気サイクルの位置ごとに選好されるセクターを考えておくことも大切です。
次章ではそんなセクターローテションの考え方について見ていきましょう。
セクターローテーションの考え方
図解で見るセクターローテーション
セクターローテーションについて簡単に図示してみました。
これは先ほどの景気循環の図の中へ、選好されやすいと考えられているセクターを取り入れたものです。
このように景気サイクルと共に、選好されるセクターはローテーションされていきます。
次に景況感と共に、なぜ各セクターが選好されると考えられているのかについて説明します。
インフレ移行期と景気が弱い時
【インフレ移行期とセクターについて】
◆ 景気が強く人々の購買意欲も強いと、物価は上がりインフレーション方向へ移行します。
◆ そのとき製品材料となるコモディティ関連の価格が上昇し、それらの素材を取り扱う会社、そしてそれら素材を用いて製品を作る会社が選好されます。
◆ また、景気が強くなると短期金利と長期金利のスプレッドが拡大する傾向があります。それらは銀行の収益へ恩恵をもたらすとされ、金融関連が選好されます。
◆ ちなみに消費循環株セクターは自動車や宝石などの高額商品を取り扱う企業群を指し、景気が強い場面では人気になります。
【景気が弱い時とセクターについて】
◆ インフレ抑制のため金利政策で利上げ、設備投資減り景気が弱くなります。
◆ 不況でも必要な電力関連など、公共株セクターが人気に。
◆ 同じく生活に必要な食料品、日用品などを取り扱う消費安定関連も選好されます。
デフレ移行期と景気が上向いた時
【デフレ移行期とセクターについて】
◆ 景気が弱くなり、人々の購買力が下がるとデフレーション方向へ移行します。
◆ 景気に左右されない需要があるヘルスケア株セクターが選考されます。
【景気が上向いた時のセクター】
◆ 景気対策のため利下げ、景気が上向く。
◆ 成長期待度の高いハイテク株セクターが選考される。
それでは最後に各セクターを構成する銘柄、そして現在の景況感を確認する方法について説明していきます。
セクターと景況感を確認するために
ヒートマップでセクターを理解する
ヒートマップでは各セクターの日々の騰落率を把握することができます。
セクターごとのパフォーマンスの確認には欠かせない存在です。
また見やすいヒートマップを提供してくださっている【Finviz】では、セクターの構成銘柄を簡単に把握することができます。
そんなフィンビズに関しては過去記事でも紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
米国の株価確認で便利な無料で使えるヒートマップについて解説。
景況感は日々の経済指標を確認する
景況感は日々のニュースを確認することも大切ですが、もっと大切なのは【経済指標】を確認すること。
アメリカや日本のみならず、各国の物価や金利政策などの経済指標を確認することで、景況感を把握しやすくなります。
そんな経済指標ですが、指標の意味と数値の解釈に役立つ内容を、過去記事として紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
株式専門用語講座。米消費者物価指数cpiについて解説します。
未単元株取引とセクターローテーション
景況感を確認してセクターローテーションしていくなら、選択肢に入るのが『未単元株取引』。
未単元株取引なら1株からでも株式投資可能。
なので自身の余裕資産の中で、少額からセクターを回して投資していくことが可能となります。
そんな未単元株取引についても過去記事で取り上げてみました。
『少額からセクターローテーションへ挑戦したい』という方は、ぜひご覧ください。
株式投資で知っておくべき単元未満株の売却手数料や買付方法とは
景気循環を理解して、一歩先の投資について考えていきましょう。