これからのキャリア形成で知っておくべき【リスキリング】
必要とされる職務スキルの変化が著しい昨今、リスキリングで対応していくのが現代のトレンドです。
そんなリスキリングの意味、企業導入事例など分かりやすく解説していきます。
○ リスキリングの意味とは
○ 経済産業省の資料にみるリスキリング
○ リカレントとリスキリリング教育
◇ リスキリングの導入事例
○ 米国amazonのリスキリング事例
○ 富士通のリスキリング事例
○ 社外にもリスキリング提供するMicrosoft
◇ リスキリングの現在とこれから
○ 5年で1兆円の予算が計画されたリスキリング
○ dxリスキリングは転職でも有効
リスキリングについて知る
リスキリングの意味とは
リスキリングの英語表記は『Reskilling』。直訳すると『再教育』といった意味になります。
ことビジネス現場におけるリスキリングとは、新しい職種へ就くために必要なスキルを獲得すること。
あるいは今の仕事で必要とされるスキルの変化へ対応するために、会社をあげてスキル習得の機会を提供することを指します。
デジタル化の進む昨今。各企業はそれら変化に対応すべくリスキリングの重要性が増しており、急ピッチで対応が進められています。
そんなリスキリングですが個人、会社、政府とそれぞれで様々な動きがみられます。
まずは経済産業省の資料から、その動きを見ていきましょう。
経済産業省の資料にみるリスキリング
自身がリスキリングの概要を学ぶにあたり、分かりやすかったのがこの資料です。
出典:リスキングとは 経済産業省
この資料ではリスキングに関する世界の潮流についても提示されています。
たとえば世界経済や環境問題について議論される『ダボス会議』でもそのことが触れられています。
ダボス会議では2018年より3年連続で『リスキル革命』といったセンションが組まれ、2030年までに世界で10億人程度をリスキリングすると宣言されたそうです。
また第四次産業革命を議題に挙げており、数千万件におよぶ仕事が消失され、それ以上の仕事も新たに生まれるためリスキングの必要性を説いています。
リカレントとリスキリング教育
教育といった観点でリスキリングのほかに、『リカレント』といったものも存在します。
リカレントとは英語で『recurrent』と表記され、『再発する』や『循環する』といった意味があります。
リカレントの特徴として
◆ 企業の職員ではなく、個人の学び直しに重点をおいていること
◆ 休職など職を離れることが前提の学びとなっていること
などが挙げられます。
いっぽうリスキリングは就業している会社の中で新たな業務スキルを獲得し、現在従事している業務から離れていくといった特徴があります。
キャリアデザインという観点では『リカレント』、『リスキリング』どちらも大切ですが、考え方に少々相違あることを覚えておきましょう。
リスキリングの導入事例
米国amazonのリスキリング事例
それではリスキリングの企業における実際の導入事例について見ていきましょう。
まずは米国大手企業では『amazon』。
amazonでは2025年まで米アマゾン従業員10万人に対して、一人あたり75万円程度を投じてリスキリングしていくと発表しています。
そのために技術職要請のための『アマゾンテクニカルアカデミー』や、IT系エンジニアがAIなど更に高度なスキル獲得のために『マシンラーニングユニバーシティ』なども企画されています。
そのほか米国企業ではリスキリングの先駆者である『AT&T』、小売大手の『ウォルマート』なども力を入れています。
次は日本企業の事例なども見ていきましょう。
富士通のリスキリング事例
日本企業でもリスキリングを力を入れている企業はたくさんあります。
たとえば『富士通』。
富士通は『ITカンパニーからDXカンパニーへ』を提唱。
2020年7月の経営方針説明では、成長投資のために5年間で6000億円の規模を企画しており、その内部強化の戦略として『リスキリング』を掲げています。
富士通以外にも
◆ 住友商事 AIを基礎から学ぶオンライン研修を1000人に実施。
◆ 三菱商事 『ITデジタル研修』を新設し、オンライン講座を1000人が受講。
など様々な日本企業でリスキリングが実施され、スキルアップに力を入れています。
社外にもリスキリング提供するMicrosoft
リスキリングは社内での教育に留まりません。
たとえば社外のリスキリングをサポートする『Microsoft』。
2020年6月30日ナデラCEOは『Global Skills Initiative』を掲げ、LinkedenやGithubと共に無償でリスキリング講座を提供することとで、失業者を支援しました。
また2020年12月よりMicrosoft Teams上に教育コンテンツ搭載を企画しています。
このようにリスキリングは社内外の枠を超えてきているものもあります。
最後にリスキリングをめぐる現在の動きについても確認しておきましょう。
リスキリングの現在とこれから
5年で1兆円の予算が計画されたリスキリング
2022年10月3日、岸田首相の所信表明でリスキリングに関する言及がありました。
その内容としてはリスキリングのために『5年で1兆円』の予算を計画するということ。
求められる業務スキルがDXをはじめ、どんどん変化していく昨今。
企業努力だけでなく国家プロジェクトとして『リスキリング』の必要性が出てきていることがうかがえます。
今後はそのリスキリング予算がどう分配されていくのかについて注視していきましょう。
dxリスキリングは転職でも有効
各企業がそれぞれ導入しているリスキリング。
それら社内教育で身に付けたdx技術はもちろん転職でも有効です。
どんな会社員でも自身の人材価値を高める権利があり、獲得した技術はできるだけ高く買ってもらうべきと筆者は考えています。
自身のスキルや経歴を活かして転職活動するならば『転職エージェント』の利用も選択肢。
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そんな転職エージェントに関しては過去記事でも紹介しています。興味のある方はぜひご覧ください。
リスキリングを正しく理解して、自身のスキルアップにつなげてキャリアデザインしていこう。