ヒトは学んだことを忘れたり、復習して自身のものにしたりを繰り返す生き物です。
今日は資格勉強を効率化するために、そんな忘却のメカニズムと復習方法について持論を交えて解説します。
○ 記憶研究者エビングハウス
○ エビングハウス忘却曲線グラフ
○ 人間は記憶を忘却する生き物
◇ 忘却曲線へ配慮した学習方法
○ 3日連続学習の記憶定着で忘却曲線改善
○ 少しの暗記時間で忘却曲線を防ぐ
○ インプット方法は得意なやり方で
◇ 効率的な資格勉強とするために
○ 勉強の成果を定期的に確認する
○ 集中できる環境を整えよう
○ 効率的な資格取得ならコスパもカギに
エビングハウス忘却曲線とは
記憶研究者エビングハウス
エビングハウス忘却曲線は、ドイツの心理学者そして記憶に関する研究でもあるヘルマン・エビングハウス氏によって考案されました。
同士はベルリン大学在籍時に記憶に関する研究を始め、日本語版での研究著書『記憶について』も出版されています。
そんな記憶に関する研究の中で得られた成果が【エビングハウスの忘却曲線】です。
まずはそのグラフについて確認してみましょう。
エビングハウス忘却曲線グラフ
エビングハウスの忘却曲線は下記の通りです。
縦軸に【記憶保持率】、横軸に【経過日数】を取り、曲線グラフで忘却曲線を表しています。
このグラフを簡単に説明すると、ヒトが勉強などで初めての事柄を学ぶとき、その事柄に関する20分後の記憶保持率は58%、1時間後は44%、1日後には34%まで低下することを表しています。
逆に言えば学んだ事柄の中で、20分後には42%を忘却、1時間後は半分以上の56%を忘却、1日後にはおよそ2/3にあたる66%を忘却していることを忘却曲線は提示してくれています。
人間は記憶を忘却する生き物
忘却曲線はいったい何を意味しているのでしょうか。
それは人間は記憶を忘却する生き物であるということを意味しています。
資格試験などに関して、忘却は邪魔な機能にも見えるかもしれません。しかし、嫌な記憶があっても時間と共に忘れるように、忘却は人間のストレスコントロールなどにも貢献していくれています。
また忘却するものもあれば、記憶に保持され続ける事柄もあります。忘却と記憶のメカニズムは、パソコンでいうところのメモリに似ていて、必要に応じて取り出しやすい場所へ留めておくか否かといった機構にも似ています。
それではヒトは忘却と記憶を繰り返す生き物であるという認識をしたところで、その機構をふまえた資格試験などの効率的な勉強方法についても紹介していきます。
忘却曲線へ配慮した学習方法
3日連続学習の記憶定着で忘却曲線改善
忘却曲線が示してくれてたのは、ヒトは何もしなければ忘却し続ける生き物であるということ。裏を返せば復習が記憶定着のカギになります。
前述したように1日後には66%を忘却。6日後には75%も忘れています。1週間経過するともう25%しか覚えていない計算です。
それらをふまえて自身がオススメするのは3日連続勉強法です。これは同様の事柄を3日連続で、目を通す勉強法になります。
たとえば1日目の夜に寝る前、2日目の昼休憩、3日目の起床後すぐなどでも構いません。
大切なのは忘却曲線を緩やかに、復習で記憶定着率を上げることが大切です。
少しの暗記時間で忘却曲線を防ぐ
理学療法士の国家資格を持つ自身ですが、医療系における国家試験のための暗記量は膨大です。
しかし臆することはありません。コツコツ勉強すれば少量の時間で大きな成果を得られるようになります。
たとえば過去問題集1年分を目を通すのに最初は1日かかるとします。自身の経験では2回目は半日、3回目は3時間程度と目を通す時間は相対的にどんどん減っていきます。
記憶定着における復習はそんな感じで、一定の領域に関する勉強時間はどんどん減っていきます。その分、他の領域の勉強が進んでいくことになります。
忘却曲線を意識するのなら、コツコツ積み重ねた勉強がとても効果的です。
インプット方法は得意なやり方で
自身が得意な勉強法は、ひたすらテキストか過去問題を見て黙読する方法です。この方法なら音も出ず、必要な道具も最小限で、場所を選ばず勉強できます
ですが人によっては『知人を交えてないと勉強意欲が湧かない』『自宅では誘惑に負けて、喫茶店でないと勉強を続けられない』なんて方もいると思います。
また『書いて覚えないと頭に入らない』なんて方もいるかもしれません。
効率的な勉強のための環境、やり方は個人差があります。
インプット方法は得意なやり方で、型にはまらず実践して大丈夫です。
効率的な資格勉強とするために
勉強の成果を定期的に確認する
忘却曲線は記憶定着のための振り返り、つまり復習の大切さを教えてくれています。
復習を合わせてやっておきたいのが勉強の成果を確認すること。勉強の成果が出ているか否か、効果判定はとても大切です。
効果判定の方法はいろいろあります。たとえば過去問題を使った方法。試験突破に正答率6割が必要であれば、まずは6割を取れるよう過去問題と解いていく必要があります。
可能であれば模擬試験、そして問題集なども解いてみて応用力を確かめるのも良いでしょう。
集中できる環境を整えよう
【インプットは得意なやり方で】のチャプターでも説明しましたが、復習して記憶定着するための勉強方法には環境がとても大切です。
自身は自宅でマイペースで出来る勉強が好きでしたが、人によっては私物のない飲食店でテキストを読むほうが得意な方もいるかもしれません。
また静かな図書館のようなところで勉強するのが得意な人もいれば、少しガヤガヤしたところのほうが集中できる人もいます。
勉強する環境に関しては、人によって好き好きがあるのでこれといった正解はありません。自身の好きな場所を選択しましょう。
なお、飲食店や図書館では自習を禁止しているところもあるので、勉強の環境設定にはそういったところは配慮しましょう。
効率的な資格取得ならコスパもカギに
エビングハウス忘却理論を使った勉強法はいわゆる『タイパ』に貢献してくれるでしょう。
そんなタイムパフォーマンスと合わせて覚えておきたいのが資格取得の『コスパ』。
せっかくの資格取得もコストに見合うものでなければ、あまり効果的とも言えません。
つまり転職への貢献度なども合わせて、資格取得のコスパも推し量りながら勉強を進めていく必要があります。
そこで、そんな様々な種類の資格取得に関するコスパを学べる動画を作ってみました。
ぜひ一度ごらんください。