米国株の配当には特徴的な『税金』、『為替』について理解することがとても大切。
税金を理解すれば具体的な手残り金額も算出可能。また為替が分かれば、円貨での価値も把握できます。
本記事ではそんな米国株式配当で必要な税金、為替の考え方について詳しく解説していきます。
☆投資にはリスクがあり成績を保証するものではありません。余裕資金と自己責任の範囲内で検討しましょう。
○ 株式の配当と税金
○ 米国株配当は外国税も徴収される
○ 外国税には外国税額控除が申請できる
◇ 米国株配当と為替についてる
○ ドルでもらえる米国株配当
○ ドルを円に替えたら為替差損益が発生する可能性
○ 為替差益発生すると確定申告が必要なことも
◇ 米国株配当をもっと深堀り
○ 米国株配当の権利落ち日と利回りの調べ方
○ ドル円レートなど為替動向を推し量るには
◇ 米国配当金と税金の関係性
株式の配当と税金
株式の配当をもらったことがある方ならご存じですが、その配当金には税金が発生します。
上場株式の配当金(大口株主以外)に対する税金は合計20.315%で徴収されます。
なおその内訳は所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%であり、それらを合計して配当の税金は20.315%で徴収されます。
なお特定口座を利用していれば、その配当金にかかる税金は源泉徴収されています。
なので特定口座で配当金を受け取った場合、買付余力へ反映される配当受け取り金額は、税金が差し引かれた後の金額で反映されているはずです。
気になる方は配当の支払い通知書を見てみましょう。
さて、そんな株式配当にかかる税金。
米国株式配当では徴税のルールが違ってきます。
米国株配当は外国税も徴収される
日本株式と米国株式の配当における徴税の仕組みとして、一番の違いは『外国税』を徴収されるということです。
ちなみに記事執筆時の2023年7月において、米国株式配当へかけられる外国税は『10%』。
そして米国株式配当はその外国税が徴収された後、日本でも前述した『20.315%』が徴収され、それら税金が差し引かれた配当金を受け取れるという仕組みになります。
計算の流れでいうと米国株式配当が支払われる際にまず10%の外国税が徴収されます。
そして配当金の残り90%から、さらに日本において20.315%の税金が徴収されます。
結果、受け取れる米国株式配当は3割弱を税金で差し引かれた金額になります。
さて、そんな外国税も徴収される米国株式配当。
知っておくべき知識が『外国税額控除』の存在です。
外国税には外国税額控除が申請できる
米国株式配当にかかる外国税は、『外国税額控除』を申請することが出来ます。
外国税額控除を申請するタイミングは『確定申告』の時期です。
そして外国税額控除を申請すれば、任意の計算式で算出された額に関して、支払うべき税金が減ったり、税金の還付を受けられる可能性があります。
なお、現代では『e-tax』を利用して外国税額控除を申請することも可能です。
e-taxを使って外国税額控除を申請すれば、その控除適用額を自動計算してくれて便利です。
そんな外国税額控除に関する仕組みに関しては過去記事でも紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
◇ 米国株配当と為替について
ドルでもらえる米国株配当
米国株式で受領できる配当金は『ドル』でもらえるのが特徴的です。
なので証券口座では外貨建て口座『USD』の項目において、配当金が入ったときにその数値が反映されます。
筆者も米国株式配当を受領してますが、『なんか外貨建て口座増えてるなあ』なんて思っていたら、外貨建て口座にいつの間にか配当金が入ってたりします。
なお、後述しますが配当金の支払日は概ね調べることも可能なので、筆者のようなうっかりもそんなに心配ありません。
ちなみに受領したドルはそのまま米国株式を購入することが出来ます。
また、証券口座内もしくは外貨出金後に円へ変える選択肢もあるので覚えておくと便利です。
ところでそんな米国株式配当でもらえる『USドル』。
その通貨の性質上、為替差損益が発生することもあります。
ドルを円に替えたら為替差損益が発生する可能性がある
日本人で米国株式取引をするなら、覚えておきたい『為替差損益』。
ドル円レートは日々変化しており、その為替における価値もまた日々変化しています。
そしてもらった米国株式配当である『USドル』を、円貨へ変えるタイミングによっては為替差損益が発生する可能性があります。
簡単に米国株式配当を受領した際の、為替差損益を説明すると下記の通りです。
□ 米国株式配当をドル円レートで140円受領
↓
ドル円レート141円で円貨へ変えた場合。
↓
1ドルあたり、1円の為替差益が発生。
□ 米国株式配当をドル円レートで140円受領
↓
ドル円レート139円で円貨へ変えた場合。
↓
1ドルあたり、1円の為替損失が発生。
特に為替差益が発生した場合、円貨が増えるのが嬉しいところですが、確定申告が必要となる場面もあります。
為替差益発生すると確定申告が必要なことも
米国株式投資、そしてドルで配当を受け取っている筆者ですが、為替差益により確定申告をしたことがあります。
筆者の経験を話せば、USドルで米国株式配当をもらったにもかかわらず、うっかりそれを放置していたことがありました。
そしてその間に、配当支払日のドル円レートと比較して、大きく円安に進みました。
結果、USドルを円へ変えた際に為替差益が発生しました。
なお、為替差益は雑所得扱いとなるので、雑所得に関する確定申告をするという流れとなった経験があります。
なので、米国株式配当をUSドルで受領している方はそんな為替差益に注意が必要です。
そんな筆者の外貨獲得、為替差益の発生、雑所得の確定申告といった経験に関しては過去記事でも紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
◇ 米国株配当をもっと深堀り
米国株配当の権利落ち日と利回りの調べ方
さて、米国株式配当にまつわる『税金』、『為替』について理解したところでもう少し深掘りしていきましょう。
たとえば米国株式配当の受領を考えているなら、知っておくべき『権利落ち日』。
権利落ち日を知れば、配当受領権利獲得のための期日を知ることができます。
また権利落ち日と合わせて、『配当利回り』なんかも見ておけば、自身の投資パフォーマンスの評価にも役立ちます。
そんな米国株式配当の『権利落ち日』、『配当利回り』に関しても過去記事では紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
ドル円レートなど為替動向を推し量るには
前述したように米国株式配当では『為替』の理解がとても大切。
とりわけ米国株式配当においては『ドル』の強さを推し量ることが肝要です。
そんなドルの強さを推し量る指標のひとつに『ドルインデックス』といったものがあります。
ドルインデックスは日本円など、任意の構成要素により算出されるドルの強さです。
なので構成要素である通貨の為替レートが動いているとき、ドルインデックスはリアルタイムで動いています。
米国株式配当で発生する為替差損益を鑑みるなら、そんなドルインデックスを確認してみても面白いかもしれません。
ちなみにドルインデックスに関しても過去記事で詳細に紹介しています。
こちらも興味のある方はぜひご覧ください。
米国株式配当にまつわる税金、為替の理解を進めて資産運用に役立てましょう。