医療従事者の筆者ですが、患者様や利用者様とのコミュニケーションの円滑化を図るため、傾聴・共感・受容的態度を意識してしています。
今回はほかの仕事でのコミュニケーションでも使える『傾聴・共感・受容』の考え方について紹介します。
○ 耳を傾けて聴くこと
○ 話を傾聴する≠聞く
○ 傾聴には共感と受容が不可欠
◇ 傾聴と共感と受容
○ 傾聴と共感的態度
○ 傾聴して相手を受容する
○ 相手に自己肯定感を持ってもらう
◇ 仕事のコミュニケーションで傾聴を活かす
○ 傾聴とコーチング
○ 顧客のヒアリングでも傾聴を使う
○ 傾聴や共感、受容が必要な医療職
傾聴するとは
耳を傾けて聴くこと
傾聴とは呼んで字のごとく、耳を傾けてしっかりと相手の話を聴くことを指します。
ちなみに『聴く』とは音をはなつ対象に耳を傾けて、注意深く聴くといったものが本来の意味だそうです。
つまり対人折衝の場面において、傾聴のためには耳を傾けるといった態度が要求されます。
話を傾聴する≠聞く
前述の通り『聴く』とはしっかりと注意深く耳を傾けて聴くこと。読み方は同じでも『聞く』とは意味が異なります。
『聞く』であれば流れる音をただただ聞くだけで構いませんが、『聴く』ためには聞き手にも準備が必要です。
傾聴するためには聞き手に必要な態度、そして技術や知識を獲得しておく必要もあります。その上で、傾聴に必要な要素として『共感』や『受容』といった態度が重要になります。
傾聴には共感と受容が不可欠
傾聴に必要な『共感』や『受容』といった態度についてまず簡単に確認しておきましょう。
『共感』は読んで字のごとく、感情を共有することを指します。『受容』は相手を受け入れることを指します。
傾聴、共感、受容といった態度は、セットでコミュニケーションへ活かさなければ効果的に働いてくれません。
逆をいえば傾聴、共感、受容といった態度で、日頃からコミュニケーションへ活かせられている人は、クライアントとのラポール形成の強い武器となっていることでしょう。
傾聴と共感と受容
傾聴と共感的態度
それでは傾聴技術を実際に活かすためにも、まずは共感的態度の取り方について詳細に解説していきます。
共感的態度としては、相手の話をさえぎらずに聴いている姿勢を示していく必要があります。
そのためにも相槌やうなずきを適宜入れていきましょう。なおうなずきすぎは逆効果です。
そのほか『おうむ返し』も程度有効です。たとえば『忙しくて眠る暇がない』といった愚痴を傾聴するなら、『忙しくて眠る暇がないのも大変ですね。』といった返しも共感的態度を提示するのに有効です。合わせて『寝食惜しんで仕事熱心ですごいですね』といった、相手を支持する言葉を付け加えるのも良いかもしれません。
傾聴して相手を受容する
傾聴、共感、そしてもうひとつ大切な態度が受容的態度。
受容でまず大切なのが、ありのままを受け入れること。具体的には相手の話を先入観をもたずに傾聴することが大事になります。
相手の話をさえぎらず、細かく掘り下げて聴くことが出来れば、相手のふるまいや考え方の根底を知ることが出来ます。
まずはしっかりと耳を傾けて、相手が話したいことを深く広く聴いてみましょう。
相手に自己肯定感を持ってもらう
顧客もしくは同僚との会話の中で、ひとつの目標と掲げるべきなのが相手に自己肯定感を持ってもらうこと。
会話の中で自己肯定感が生まれてくると、そういった感情を生み出した対話相手への信頼関係が築かれるようになります。
相手の心をサポートして自己肯定感を持ってもらうには、傾聴や共感、受容といった態度でコミュニケーションへ挑むことが有用となります。
仕事のコミュニケーションで傾聴を活かす
傾聴とコーチング
さて最後となりましたが、傾聴の基本を学んだところで、実際のビジネス現場で役に立つ場面を紹介します。
ひとつはコーチング。傾聴力を養うことで、部下のメンタルをサポートし、やる気を引き出すきっかけ作りとなります。
傾聴や共感、受容的態度で部下の本音を引き出し、感情を共有することが出来れば、部下そして自身の仕事のパフォーマンスへ寄与してくることでしょう。
顧客のヒアリングでも傾聴を使う
コーチングでもさることながら、顧客のヒアリングでも傾聴技術はとても役に立ちます。
例えば営業。顧客の話をしっかり傾聴し、共感的態度でありのままを受容することで、顧客が本当に求めているサービスが見えてくることがあります。
営業はプレゼンや質問もとても大切ですが、顧客の要求の根っこの部分を把握しないことには成約に至りません。
そんな顧客の根底にかかる要求を引き出すためにも、傾聴技術は貢献してくれることでしょう。
傾聴や共感、受容が必要な医療職
傾聴や共感、受容といったコミュニケーション技術はやはり医療職で必須の技術。
自身は理学療法士という医療職へ従事していますが、そういったコミュニケーション能力の必要性を感じることがあります。
そんな理学療法士という仕事ですが、その職業適性については過去記事でも紹介しています。
医療職へ興味のある方はぜひご覧ください。