個人投資家が注目しており、いよいよ明らかになってきた2024年以降の『新NISA』制度。
今日の記事ではこれまでのNISA制度、そして2024年より開始が予定されている新NISA制度の違いについて詳しく解説していきます。
☆ 投資にはリスクが存在します。自己責任と余裕資金での検討をお願いします。
○ NISA制度とは
○ 一般NISAと積立NISAとは
○ 2024年以降におけるNISA制度の変更点
◇ 2024年からのNISA制度の詳細
○ 非課税期間の恒久化
○ NISA投資額の上限が拡大
○ 一般ニーサと積立ニーサが併用可能に
◇ NISA投資枠を活かすために
○ 長期インデックス投資でNISA枠を長く活用
○ 長期投資に有用なドルコスト平均法
NISA制度の現状とこれから
NISA制度とは
『NISA制度』とは、株式投資などの投資が一定期間、一定の投資金額まで非課税になる制度です。
買い方として個別株に投資できる『一般NISA』、指定された投資信託へ投資できる『積み立てNISA』があります。
一般NISAでは個別株などが購入可能であり、積み立てNISAでは指定された投資信託のみ購入可能といった特徴があります。
ちなみに通常だと株式投資、投資信託などで利益を出すと所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%を合計して、20.315%の税金がかかります。
つまり通常であれば、せっかく株式投資で利益確定しても80%程度しか残らない計算になります。
ですがニーサを利用すれば、その投資上限枠の中でれば非課税で利益を出すことができます。
効率的な投資計画、資産形成へつなげるためにも、本記事でしっかりとNISAについて確認してみてください。
一般NISAと積立NISAとは
記事執筆時である2022年12月時点では、NISAのやり方として一般NISAか積み立てNISAどちらかを選ばなければなりません。
現在のところ一般NISAは年額120万円まで、5年間かけて最大で600万円まで投資可能です。(2022年時点)
いっぽう積み立てNISAは年額40万円まで、20年間かけて最大で800万円まで非課税で投資可能です。(2022年時点)
ちなみに一般NISAや積み立てNISAは、自身も利用しているSBI証券、そのほか楽天証券など証券会社において口座を開設することができます。
そんなニーサ制度ですが2024年から大きく変更されるとの報道が飛び交っています。まずその概要について見ていきましょう。
2024年以降におけるNISA制度の変更点
2022年12月に発表された【2023年税制改正大綱】では『NISA枠の拡充』が盛り込まれました。
ポイントは以下の3点。
◇ 非課税制度の恒久化
◇ NISA枠の上限が拡大
◇ 一般NISAと積み立てNISAの併用が可能
政府としても国民の資産形成に、NISAを使って投資を促したい考えのようですね。
ちなみに金融庁のウェブサイトではNISAについて詳細な解説があり、今後は2024年以降の新NISAについても情報を更新していくそうです。
出典:金融庁 NISAとは
更新情報をしっかりチェックしていきましょう。
それでは次章で新NISAの詳細について見ていきましょう。
2024年からのNISA制度の詳細
非課税期間の恒久化
2022年における従来の一般NISAでは非課税期間は原則5年、ロールオーバー利用なら10年間まで非課税期間での投資が可能となっています。
そして積み立てNISAは20年間まで非課税で投資枠を利用可能です。
2024年から導入予定である新NISAはここが大きく変わり、『非課税期間の恒久化』について言及されています。
非課税期間の恒久化とは読んで字のごとく、有限であった非課税期間が撤廃され、ニーサ投資枠で得た利益や配当に関して非課税で利用できることになります。
基本的な株式投資や投資信託の利益に20%程度の税金がかかることを考えると、NISA枠の恒久化は資産形成に大きく寄与しそうですね。
さて、新NISAのもうひとつ大きなポイントである『NISA投資額の上限拡充』についても確認していきましょう。
NISA投資額の上限が拡大
2024年以降の新NISAでは『一般NISA』と『積み立てNISA』の投資上限額の拡大が盛り込まれています。
ちなみに一般NISAは年間120万円まで(2022年時点)であったのが、新NISAでは240万円に。
積み立てNISAは年間40万円まで(2022年時点)であったのが、新NISAでは120万円にそれぞれアップします。
運用資金の拡大を意図されていた方にとって、新NISAにおける上限額の拡大はとてもありがたいところですね。
そして最後に確認しておくべきなのが、新NISA制度で『一般NISAと積み立てNISAが併用可能となる』という点について。
併用した場合のNISA投資可能上限額と合わせて確認していおきましょう。
一般ニーサと積立ニーサが併用可能に
従来のNISA制度では『一般NISA』と『積み立てNISA』どちらかを選び、運用していく必要がありました。
たとえば一般NISAを選んだら年間120万円まで、積み立てNISAでは年間40万円までしか追加投資できなかったというところです。
ですが2024年からの新NISAでは『一般NISA』と『積み立てNISA』が併用可能になるとのこと。
つまりそれが実現するならば、2024年以降は一般NISAで240万円、積み立てNISAで120万円の年間合計360万円までが追加投資可能になります。
もうひとつ覚えておくべきなのが『新NISAにおける生涯投資可能額』。
今回の税制改正大綱では一般ニーサ、積み立てニーサ合わせて生涯1800万円まで、投資枠上限が引き上げられるとのことです。
そのうち1200万円までは『成長投資枠』として、個別株購入にも使える一般NISA枠を利用できるとのこと。
今後の新NISAに関する報道にしっかりと耳を傾け、長期的な資産形成にNISAの活用を検討していきましょう。
NISA投資枠を活かすために
長期インデックス投資でNISA枠を長く活用
おすすめのNISA投資枠の活用としては『長期投資』で活用するということ。
なぜなら2024年以降の新NISAに盛り込まれる予定の『非課税期間の恒久化』により、更に長期投資におけるNISA枠の強みが活かされることになったからです。
長期投資ならばオススメするのは『インデックス投資』。
インデックスとは訳して『指数』という意味になります。
株式指数では日本だと日経平均、アメリカではダウジョーンズやS&P500、ナスダックなどがあります。
指数のメリットは『分散』した投資が出来るということ。
時間や銘柄を分散させることで、各国の企業や経済成長に沿った投資リターンなどを期待できます。
最後に新NISAの買い方として便利な『ドルコスト平均法』についても見ておきましょう。
長期投資に有用なドルコスト平均法
特に積み立てNISAなどで強みを発揮する『ドルコスト平均法』。
ドルコスト平均法の基本的な考えとして同一金額でもって、定期的にインデックス投資として買い付けしていく方法です。
定期的に同一金額で投資していくので『株価が高いときには少なく買う』、『株価が低いときには多く買う』といった買い方を導入することができます。
これにより高値掴みリスクを減らす。株価が安く割安なときに多く買うことで利益率増加を狙える仕組みです。
そんな新NISAでもおすすめな『ドルコスト平均法』については過去記事でも紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
2024年以降の新NISAを理解して、これからの資産形成へ役立てよう。