2024年からの新NISAと共に注目される『高配当株』。
割とよく耳にする高配当株ですが、何をもって『高配当』とされているのでしょうか。
今日の記事ではそんな高配当株に関わる指標について分かりやすく解説していきます。
☆投資にはリスクがあり成績を保証するものではありません。余裕資金と自己責任の範囲内で検討しましょう。
○ 新NISAで注目される高配当株
○ 配当利回りとは
○ 配当利回りの計算式
◇ 配当利回りと共に知っておきたい配当性向
○ 配当性向とは
○ 配当性向と配当利回りの違い
○ 配当性向が高い銘柄を見つけるには
◇ 高配当株をもっと手軽に見つけるには
○ ランキングやスクリーナーを活用
○ 高配当か値上がり益か
新NISA開始前に知っておくべき配当利回りとは
新NISAで注目される高配当株
新NISA(少額投資非課税制度)導入に伴い、高配当株が投資家たちの注目を浴びています。
なぜなら、新NISAでは長期間の保有が求められ、その期間中に発生する利益が非課税となるからです。
つい投資と言えば値上がり益に注目されがちですが、非課税制度の恩恵はそれにとどまりません。
NISAではもちろん配当収入にも非課税制度が適応されます。
なので投資家は将来の安定的なキャッシュフローを期待し、高配当株がポートフォリオに加わることが増えています。
少し注意点ですが、外国株の配当には外国税が10%徴収されますが、これは新NISAの枠においても徴収されるので覚えておきましょう。
例えば配当利回りの高い銘柄であっても、S&P500銘柄であれば外国税は徴収されます。
さて、配当収入の期待に関して、覚えておきたいのが「配当利回り」です。
配当利回りとは
配当が高い株銘柄を探す投資家の間で、注目される指標の一つに「配当利回り」があります。
これは、株式などの投資対象から得られる配当と、その投資対象の現在の株価との比率を示します。
配当利回りは、投資家にとって収益性を評価する上で重要な情報となります。
いわゆるファンダメンタルズ分析の指標のひとつと言えるでしょう。
高い配当利回りは、投資によるリターンを期待できる可能性が高まる要因のひとつ。
次は配当利回りの計算式について理解を深めてみましょう。
配当利回りの計算式
配当利回りの計算式はシンプルで、次のように表されます。
配当利回り = 配当額 / 株価 ×100
この式では、配当額を現在の株価で割り、その結果に100を掛けることで配当利回りが得られます。
例えば、ある銘柄の株価が1000円で年間の配当が50円だった場合を計算してみましょう。
この場合の配当利回りは
50 / 1000 × 100 = 5
となり5%となります。
変数である配当額、株価で配当利回りは変わるので、決算毎など定期的に確認するようにしましょう。
次は配当利回りともうひとつ覚えておきたい『配当性向』という指標について説明していきます。
◇ 配当利回りと共に知っておきたい配当性向
配当性向とは
配当性向は、企業が自社の利益の中で株主に対してどれだけの部分を配当として還元するかを示す重要な指標です。
これは、企業の収益の一部を株主に還元する姿勢を示し、投資家にとっては将来の配当の安定性や企業の健全性を判断する材料となります。
つまり配当性向もまたファンダメンタルズ分析の指標のひとつ。
一般的に、高い配当性向を持つ企業は、株主還元に積極的であると言えます。
さて、この配当性向という指標。
『配当利回り』との違いはどこにあるのでしょうか。
配当性向と配当利回りの違い
配当性向と配当利回りは、両者とも企業の配当に関する指標ですが、異なる側面を示しています。
配当性向は、企業が自らの利益の中で配当として株主に還元する割合を示すもの。
一方で配当利回りは、実際に株主に配当として支払われる金額と株価との比率を示します。
例えば、企業Aが1000万円の利益を上げ、そのうち300万円を配当として支払う場合を考えてみましょう。
この場合の配当性向の計算式は
300 / 1000 × 100 = 30
となり、30%となります。
一方で、配当利回りは、この300万円の配当が、現在の株価に対して何%のリターンをもたらすかを示す指標です。
このように配当性向は分母が『利益』、配当利回りは分母が『株価』という違いがあります。
配当性向が高い銘柄を見つけるには
高い配当性向を持つ銘柄を見つけるためには、企業の財務状況や業績を綿密に分析することが不可欠です。
まず、企業が安定した利益を上げ、それを株主に還元する姿勢があるかどうかを確認しましょう。
そして、将来の成長性や競合他社との比較も考慮に入れることが重要です。
一般的には、高い配当性向を維持している企業は、収益の安定性や株主価値の向上に注力している可能性があります。
ただし、単なる数値だけでなく、背後にある企業のビジョンや戦略も注意深く調査することが投資の成功につながります。
配当性向は企業の質を評価する上で有益な情報です。
慎重な調査を通じて、将来の安定的なリターンをもたらす高い配当性向の銘柄を見極めることが投資家にとって重要いえるでしょう。
さて、こういった『配当利回り』や『配当性向』の高い高配当株。そんな銘柄をもう少し簡単に見つける方法はないのでしょうか。
◇ 高配当株をもっと手軽に見つけるには
ランキングやスクリーナーを活用
東証一部で1株あたり利回りのいい高配当株やETFを見つける場合など、スクリーナーやランキングツールを活用することが効果的です。
スクリーナーとは、『株価』や『売上』、『PER』や『ROE』などの指標の値を参考に、銘柄を抽出するツールを指します。
スクリーナーをうまく使うことで、投資家が特定の条件に基づいて株式を絞り込むのに役立ちます。
例えば、配当利回りが一定以上の銘柄や、過去数年で安定して増配している企業などを検索することが可能です。
また、各証券会社が提供するランキング情報も参考になります。
ランキングは自身が使う証券会社のほか、情報提供サイトなどでも確認することが出来ます。
それらツールをうまく使って、自身の投資戦略を再考してみましょう。
高配当か値上がり益か
高配当株と値上がり益は、投資先を選ぶ上で悩ましい選択ですが、どちらが良いかには個々の投資目的やリスク許容度によります。
高配当株は安定した現金収入を提供し、投資家にとっては安心感をもたらすもの。
一方で、値上がり益は将来の株価上昇に期待できるもので、資産の増加に寄与します。
理想的なポートフォリオはバランスが求められます。高配当株が安定感をもたらす一方で、成長株やテクノロジー株などが値上がり益をもたらす可能性があるといえるでしょう。
そして投資家は自身の目標やリスク許容度に基づき、これらの要素を組み合わせてポートフォリオを構築することが肝要です。
新NISAの導入により、高配当株が再び注目を集めています。
投資家は慎重に選別し、ポートフォリオに組み込むことで、将来的な資産形成に寄与することが期待されることも覚えておきましょう。