製造工場における品質管理業務とは。QC部門の働き方を解説します。

メーカー転職における品質管理業務
       

製造工場での品質維持には欠かせない品質管理部。自身経験を元にQC部門の仕事内容を紹介。

今回紹介する仕事はメーカーでの『品質管理業務』。業務内容としてはスキルさえあれば、30代40代のミドル層でも転職先として悪くない仕事です。前回の記事では『工場内作業』について紹介しましたが、メーカー転職で所属する職種はさまざま。その働き方について見ていきましょう。

 目次

製造工場での分析業務が好きな方にはオススメ

◇ 製造工場での品質管理業務は様々

品質管理業務とはにどんな仕事をする場所なのでしょうか。部署としては品質保証部とともに、品質保全を徹底して、卸や消費者へ商品を安定供給する使命を持っている部署になります。

そして品質管理の具体的な業務は、『サンプルを採取する』『分析する』『出荷許可を出す』などになります。それぞれ内容について見ていきましょう。

◇ サンプリング

『サンプルを採取する』に関しては、工場内作業員が採取してくれます。ここで大切なのはサンプルの保全。製品サンプルによっては厳重な温度管理、衛生管理を要するものがあります。サンプルごとの製品特性を理解しないと、サンプルが壊れてしまい、工場のプロセスを進めることができず、出荷が遅れるといった事態に陥ります。そうなるとメーカーの信用が落ちることになります。

そうならないためにも品質管理業務とは、製品を理解してメーカーの信用を保持する役割を担っている大切な部署であるともいえるでしょう。

◇ 分析する

『分析する』に関しては、メーカーによって分析機器は様々ですが、各製品に特価した定性定量分析を実施します。自身は化学部出身ではなかったので、初めて目にする分析機器が新鮮で難しくも思えた思い出があります。

最初は分析手順を覚えるのに必死でしたが、手順書さえ理解してしまえばそれほど苦労することはなくなりました。むしろ様々な分析機器で異常値が出るたびに、製品特性の理解が深まり、分析機器のメンテナンス能力が高まることは楽しかった思い出です。分析結果としてグラフを読んだりするのが好きな方には向いているかもしれません。

◇ 出荷許可を出す

『出荷許可を出す』はその名の通り、分析を終えて製品が正常値を出した場合に出荷係へ出荷のゴーサインを出します。出荷に関して付け加えると、だいたい朝早くに出荷待ちのトラックが待機しています。そしてトラックの到着時間ももちろん納期で追われています。

だいたいは品質管理の分析で正常値が出るのですが、時折異常値が出ることもあり、そんなときは出荷がストップします。そうなると流通や供給先へ迷惑をかけることになるので、ヒヤリとする場面になりますね。

製造工場での品質管理は丁寧で細かい仕事が要求される

◇ 製造工場での品質管理の仕事は細かい

さて、ざっくりと品質管理業務について説明しましたが、この仕事は丁寧で細かい仕事が要求されます。そういった業務内容を苦も無くこなせる人に適正があるといっても良いでしょう。

自身は正直この仕事が好きでした。なぜなら製品の特長がグラフの図形や数値で定量化できるところに面白さを感じていたからです。たとえば次回紹介する『営業職』なんかだと空気を読むといった能力が大切になりますが、品質管理業務では空気を読むだけでは仕事になりません。

◇ 製造工場での品質管理は統計手法も必要

サンプル採取の仕方ひとつとっても、逸脱量は要件を満たしているか、満たしてなければどのプロセスで問題があるか。問題のあるプロセスを示す数値が、分析結果と一致しているかといった推量をすることも品質管理業務では大切な仕事です。

プロセスの正しさを理解することが、品質管理それ自体の仕事も効率化され、そして製品の安定供給につながるといったやりがいがあります。

製造工場での品質管理部門の働き口は多い

◇ 製造工場なら品質管理部門はどこにでも存在

さて『品質管理業務』といった職種の需要はどれほどのものでしょうか。正社員のみならずパート、派遣社員としても割とこの職種は仕事にあふれています。なぜならメーカーそして工場のあるところには必ず必要な職種だからです。

自身も会社より許可を経て、提携メーカーで品質管理業務のバイトをしてました。24時間ずっと稼働しているプラントなどもあるので、土日の分析なども一定数需要があり、自身は休み返上で働いていました。

◇ 製造工場の品質管理部門は女性も活躍

また『品質管理部』の職場の特徴として、女性が多いといった点が挙げられます。自身は二社ほどしか品質管理部の経験がありませんが、職場内は圧倒的に女性が多かったです。

理由としては、品質管理で実施する分析は目視で色を見分けるものが多数あり、男性は色弱の方が多く適正のない方も一定数いるためとのことでした。しかし、現在は色差計など機械が色を判別するものも多く、男性であってもそれほどハンディキャップを気にする必要もないように思います。

業務内容としては手先の細かい仕事が多く、力仕事は少なかったので女性が働きやすいといったところがあったのかもしれません。

育児もあり定時で上がれる仕事も多いので、既婚女性には向いている仕事のひとつなのかもしれませんね。

メーカー工場あるところに品質管理部あり。これからも一定数の需要がある職種、品質管理業務の紹介でした。