今日は投資に役立つ企業評価指標『EBITDA』について取り上げてみました。
EBITDAを理解すれば、企業価値や健全性などの評価に役立ちます。
ぜひ本記事でそんなEBITDAの詳細な理解に役立ててみてください。
○ ebitdaとは
○ ebitdaマージンを理解する
○ ebitdaを分析指標として使うために
◇ 分析手法としてのebitdaの詳細を知る
○ ebitとebitdaの違い
○ net debtとebitdaの関係性
○ ebitda 10や5など数値管理を理解する
◇ ebitdaなどファンダメンルズ分析を知るなら
○ 企業成長率を推し量るCAGR
○ 営業や投資、財務など異なるキャッシュフロー
ebitdaの概要を知る
ebitdaとは
EBITDAとは企業価値評価の指標のこと。「イービットティディエー」や「イービットティダー」と呼ばれたりします。
ちなみにEBITDAとは、Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortizationの頭文字を取ったもの。
意味するものは利払い前・税引き前・減価償却前利益を指し、簡便には営業利益に減価償却費を加えて計算された値を意味します。
また、会計には借り入れの金利、減価償却費、もしくは税率などが国家間で違いがあることもあり、その企業価値を比較評価するためにEBITDAが使われることがあります。
そのほかEV/EBITDA倍率という指標も使われます。
EVはその企業の時価総額からネットキャッシュを引いたものであり、企業価値を指します。そしてそのEVをEBITDAで除した値がEV/EBITDA倍率になります。
このEV/EBITDA倍率は買収コストの回収計算などにも使われ、M&Aにおける評価指標にも使用されており、投資家にとっては企業価値を推し量る指標としても機能するものともいえます。
ebitdaマージンを理解する
ebitdaはEV/EBITDAの他にも、『EBITDAマージン』といった指標でも評価されます。
ebitdaマージンの計算は以下の通りです。
ebitda / 売上高
こんな感じでEBITDAマージンは売上高で除するだけで簡単に計算できます。
たとえば売上10億円、営業利益1億円、減価償却費5000万円の企業のEBITDAマージンを計算してみるとこんな感じです。
15% = (1+0.5) / 10 × 100
以上のようにEBITDAマージンを導出することが出来ました。
たとえば同じ売上の企業であっても、営業利益や減価償却費によってそのマージンが違ってくるのが理解できます。
ebitdaを分析指標として使うために
ここまで挙げたようにebitdaは企業価値を評価する上で有効なツールです。
最近ではIFRSとEBITDAの関係性についても議論がなされているところもあります。
そんなEBITDAですが、これから投資をする上でも、その企業の現状や将来性を推し量る材料であるともいええるかもしれません。
さて、そんなEBITDAですが分析指標として使うためには以下の3点にも注目です。
□ ebitとebitdaの違い
□ net debtとebitdaの関係性
□ ebitda 10や20など数値の手法
こんな感じで、分析項目や数値設定が存在します。
計算式などは一度確認してみるとそんなに難しくありません。
次章ではそれら分析項目について詳細に見ていきましょう。
分析手法としてのebitdaの詳細を知る
ebitとebitdaの違い
EBITDAとEBITとでは、計算方法が違ってきます。
EBITDAは、支払利息と減価償却費を加えて、営業利益を計算します。
対してEBITは支払利息のみを加えて計算されます。
つまりEBITDAとEBITでは、構成要素が変わります。
そのため見る企業によって、評価指標としてEBITDAとEBITの使われ方も異なります。
たとえば設備投資の多い企業であれば、減価償却費の割合も多くなります。
そしてその減価償却費は利益率へ大きく影響を与えることとなり、EBITDAを用いた評価指標が使われるといった次第です。
そんな感じで企業間の評価において、その企業の体質によりEBITDAとEBITは使い分けられます。
net debtとebitdaの関係性
net debt/ebitda倍率など「debt/ebitda」といった指標もしばしば注目されます。
DEBT/EBITDA倍率は、EBITDA有利子負債倍率として表されます。
ちなみにDEBTとは有利子負債のことを意味しており、負債総額から現金預金を差引いたものになります。
いわばDEBTは直近で返済するものでもない借入金といってもよいでしょう。
つまりDEBT/EBITDA倍率はその企業での、有利子負債をEBITDA何年で返済できるかを評価する指標になります。
そのためDEBT/EBITDA倍率は、企業における有利子負債の返済能力を示すものを指します。
次はその値の計算と評価方法について確認してみましょう。
ebitda 10や5など数値管理を理解する
DEBT/EBITDA倍率の概要を理解したところで、実際の数字を当てはめて計算してみましょう。
借入金5500万円、現預金500万円、EBITDAが1000万円の企業のDEBT/EBITDA倍率を計算するとこんな感じ。
5倍 = (5500 – 500) / 1000
一方、借入金1億と現預金500万円、現預金500万円、EBITDAが1000万円の企業のDEBT/EBITDA倍率を計算するとこんな感じになります。
10倍 = (10500 – 500) / 1000
ちなみに上記企業条件で現預金とEBITDA変わらず、借入金のみ2億円になればDEBT/EBITDA倍率は20倍です。
ここまでご覧いただけると分かるように、DEBT/EBITDA倍率が低いほうが有利子負債が少なく返済能力の高い健全な企業であると評価することもできます。
こんなにいろんな企業評価指標に使える『EBITDA』。
ぜひ有効に活用しましょう。
ebitdaなどファンダメンルズ分析を知るなら
企業成長率を推し量るCAGR
さて、EBITDAなど投資に欠かせないファンダメンタルズ分析手法に他にもいろんな指標があります。
たとえば『CAGR』。
CAGRは累乗根で経過年数に応じた企業成長を推し量る指標のひとつ。
ばらつきを減らして成長率を推し量るのに適している指標です。
そんなCAGRに関してその計算式、考え方についても過去記事で紹介してます。
興味のある方はぜひご覧ください。
営業や投資、財務など異なるキャッシュフロー
ファンダメンタルズ分析でもうひとつ押さえておきたいのが『キャッシュフロー』。
キャッシュフロー計算書にも
□ 営業キャッシュフロー
□ 投資キャッシュフロー
□ 財務キャッシュフロー
といった様々なキャッシュフロー計算書があります。
そしてそれら各キャッシュフロー計算書は、それぞれの構成項目、計算書ごとの関係性を理解することも大切になります。
そんなキャッシュフロー計算書に関しても過去記事で詳しく解説しています。
ファンダメンタルズ分析をアップデートしたい方はぜひご覧ください。
【投資家必須】経営活動評価のためのキャッシュフローの考え方とは。
投資にも役立つEBITDAを理解して、企業評価に役立てよう。