2023年第一四半期の決算発表を終えた5月のマーケット。
そんな5月の米国株、日経平均、ドル円為替相場のパフォーマンスを振り返り、今後の相場について考えてみましょう。
☆投資にはリスクがあり成績を保証するものではありません。余裕資金と自己責任の範囲内で検討しましょう。
○ ニューヨークダウは3.49%の下落
○ S&P500は0.25%の上昇
○ NASDAQは5.8%の上昇
◇ 5月の日経平均やTOPIXなど日本市場
○ 日経平均は7.04%の上昇
○ TOPIXは3.56%の上昇
○ 為替ドル円レートは3.057円の円安
◇ 2023年5月の相場関連ニュース
○ 年初来より続くナスダックの強さ
○ 雇用統計とCPI
5月のNYダウ、S&P500など米国市場
ニューヨークダウは3.49%の上昇
ニューヨーク証券取引所、NASDAQ上場の30銘柄から構成されるダウ平均株価。2023年4月28日の終値34098.17ドルに対して、2023年5月31日の終値は32908.28ドルとなり、2023年5月度の騰落率は3.49%の下落となりました。
年初来からの騰落率は0.72%の下落となります。
騰落率算出にはDJIを参考に計算しました。
出典:TradingView.DJIチャート.TradingView
4月度とは打って変わって下落で終えたダウジョーンズ平均工業株価。
2023年初来騰落率もマイナスパフォーマンスに。
少しトレンドが変わってきたというのが筆者の率直な感想です。
なお相場の振り返りのために、先月の各インデックスのパフォーマンスについてまとめた記事も添付しておきます。
興味のある方はぜひご覧ください。
2023年4月度の米国株、日経平均、ドル円為替相場を解説します。
S&P500は0.25%の上昇
ニューヨーク証券取引所やNASDAQへ上場している代表500社から構成されるS&P500。2023年4月28日の終値4169.49ドルに対して、2023年5月31日の終値は4179.84ドルとなり、2023年5月度の騰落率は0.25%の上昇となりました。
年初来の騰落率は8.86%の上昇となります。
騰落率算出にはSPXを参考に計算しました。
出典:TradingView.SPXチャート.TradingView
ダウとは違い4月もプラスパフォーマンスで終えた5月度のS&P500指数。
年初来株価における月間騰落率の高値を更新しています。
指数でもS&P500、ダウなど比較しながら今後も注目していきましょう。
NASDAQは5.8%の上昇
電子株式市場のNASDAQ。2023年4月28日の終値12226.58ドルに対して、2023年5月31日の終値は12935.29ドルとなり、2023年5月度の騰落率は5.8%の上昇となりました。
年初来の騰落率は23.59%の上昇となります。
騰落率算出にはIXICを参考に計算しました。
出典:TradingView.IXICチャート.TradingView
横ばいだった4月度と比較して、一段と上昇を続けた5月度のナスダック。
ダウやS&P500など他米国指数と比較しても、強い相場で終えています。
ナスダックに関しては、記事後半でもう少し考察していきます。
5月の日経平均やTOPIXなど日本市場
日経平均は7.04%の上昇
日本の株式市場を代表する225銘柄で構成される日経平均株価。2023年4月28日の終値は28856.37円に対して、2023年5月31日の終値は30887.81円となり、2023年5月度の騰落率は7.04%の上昇で終えました。
年初来の騰落率は18.37%の上昇になります。
騰落率算出にはNI225を参考に計算しました。
出典:TradingView.NI225チャート.TradingView
5月度は大きく上昇して終えた日経平均株価。
ニュースでも30年ぶりの高値をつけたと賑わっていたのが印象的です。
2023年は強い相場が続きますが今後はどこまで強欲が続くか。利益確定売りなどで下がるところはあるのかといったのが焦点にってきそうです。
TOPIXは3.56%の上昇
東京証券取引所の時価総額や流動性の高い大型株銘柄で構成されるTOPIX。2023年4月28日の終値2057.48円に対して、2023年5月31日の終値は2130.63円となり、2023年5月度の騰落率は3.56%上昇で終えました。
年初来の騰落率は12.63%の上昇となります。
騰落率算出にはTOPIXを参考に計算しました。
出典:TradingView.TOPIX指数チャート.TradingView
日経平均と同様に、5月度も上昇の相場終えたTOPIX指数。
TOPIXも日経平均と同様に、年初来月間騰落率では最高値を更新しています。
今までと違った強い相場の続く日本株指数。2023年度も要注目です。
為替ドル円レートは3.057円の円安
為替相場におけるドル円レートについて着目すると、2023年4月28日の終値は136.279円に対して、2023年5月31日の終値は139.336円となり、2023年5月度のドル円レートは3.057円の円安で終えました。
年初来では8.235円の円安となりました。
騰落率算出にはUSDJPYを参考に計算しました。
出典:TradingView.USDJPY指数チャート.TradingView
4月に引き続き円安の進んで5月度のドル円相場。
ドル円レートもいよいよ140円近くに。
株価もそうですが、ドル建て資産の割安もしくは割高感なども注目していくと面白いかもしれません。
2023年5月の相場関連ニュース
年初来より続くナスダックの強さ
2023年5月度まで、年初来より続くナスダックの強さについて考察してみました。
自身が考えるナスダックの強さの要因3つを挙げてみます。
□ 2023年1-3月の決算発表が予想より良かった
□ 金融機関をめぐる問題が一服した
□ PPIが下がってきた
4月末から5月上旬にかけて、大手米国企業の決算発表ラッシュがありました。終えてみればコンセンサス予想を超えてくる企業が多かったという印象です。
また3月は金融機関をめぐるニュースが相次ぎましたが、4月以降はあまり報道がなされなくなりました。
もうひとつ気になったのが5月11日発表のPPI(前年同月比、総合指数)。結果は2.3%。ちなみに2023年4月発表の同指数は11.5%を付けていました。
これらを統合して解釈すると、インフレ一服感と企業決算の堅調さ、金融システムの持続可能性が担保されたことで、ナスダックは上がったのではないかと考えています。
雇用統計とCPI
もうひとつ5月、そして6月以降の相場を鑑みるうえで押さえておきたいのが『雇用統計』と『CPI』。
6月2日発表の雇用統計では5月失業率やや悪化して3.7%。5月非農業部門雇用者数変化(前月比)は33.9万人と予想を大きく超えてきました。
この指標から読み取れることは失業率はまだ堅調。でも生活のために働きに出る人々がだいぶ増えてきたということが読み取れます。
また5月10日発表のCPI(前年同月比、総合指数)の結果は4.9%。
2022年7月発表の同指数は9.1%であったのを考えると、PPIと共にだいぶ下がってきた印象です。
ただし今後も消費者物価指数が下がり続けるか、もしくは5%前後で高止まりし続けるかは要注目です。
今後の相場を鑑みるうえでも、雇用統計やCPIもよく見ていきましょう。
2023年5月に強さが目立ったのはNASDAQと日本株。トレンド転換点など見逃さないようにしましょう。