株式評価に使われるオシレーター系テクニカル分析手法【MACD】
今日のそんなMACDの根本的な算出方法、そして使い方について詳しく解説していきます。
☆ 分析手法は株価の変化を確実に評価できるものではありません。あくまでも判断材料のひとつとしてご検討ください。
○ MACDはテクニカル分析手法のひとつ
○ MACDサインの見方ついて
○ トレーディングビューのmacdの見方
◇ MACDの計算方法を知る
○ 指数平滑移動平均線:EMAの計算式を知る
○ EMAからMACDを算出
○ シグナルと合わせて使おう
◇ MACDをもっと有効に使うために
○ MACDとボリンジャーバンドを併用
○ 日足や週足などMACDの期間設定を検討する
オシレータ系MACD分析とは
MACDはテクニカル分析手法のひとつ
過去記事で紹介した移動平均線同様に、MACDはテクニカル分析手法のひとつになります。
MACDはMonving Average Convergence Divergenceを略したもの。Moving Averageと入っていますが、MACDでは指数平滑移動平均線というものを使った分析手法となります。
オシレータ系のMACDですが、捉え方によってはトレンド系テクニカル分析とも分類されることもあります。
それではまず、MACDの簡単な見方について確認していきましょう。
MACDサインの見方ついて
MACDは短期の指数平滑移動平均と長期の指数平滑移動平均の差分を指し、そしてシグナルといった値を用いて投資の判断材料として使われることがあります。
一般的にはよく使われるのは12日と26日の指数平滑移動平均の差をMACD、そしてMACDの9日指数平滑移動平均線をシグナルとしてチャート化したものです。
サインの考え方としてMACDが0を超えたら上昇トレンド、MACDがシグナルとクロスして上へ抜けたらトレンドの上昇が始まったものとして解釈されることがあります。
下のサンプル図では青線がMACD、赤線がシグナルになります。緑丸の部分がそれぞれMACDがシグナルを上抜けたところを指しています。縦軸の値はMACD、横軸の値は日付になります。
逆にMACDが0を下回ったら下落トレンド、MACDがシグナルとクロスして下へ抜けたらトレンドの下落が始まったものとして解釈されることがあります。
上図では紫丸がMACDがシグナルを下抜けたものを指しています。
クロスそしてMACDの位置などを合わせて勘案するようにしましょう。
トレーディングビューのmacdの見方
トレーディングビューでMACDを表示させるのは簡単です。
まずは銘柄検索。そしてチャートを表示した状態でインジケータをクリックしましょう。
インジケータで「MACD」と検索すれば、チャートへMACDが表示されるようになります。
またtrading viewならMACDの期間設定変更も可能です。
下の図のように表示したMACDの設定アイコンをクリックして、短期と長期の指数平滑移動平均、シグナルの期間設定なども変更が可能です。
なおトレーディングビューの詳細な使い方に関しては、過去記事でも紹介しています。興味のある方は参照してみてください。
出典:米国株リアルタイム取引ならトレーディングビューの使い方を覚えよう
MACDの計算方法を知る
指数平滑移動平均線:EMAの計算式を知る
まず指数平滑移動平均線について確認しましょう。指数平滑移動平均線は英語でExponential Moving Average:EMAと言います。
指数平滑移動平均線の特徴として、それぞれの日付の価格に関するデータを指数関数で減少させて平均化し、最新の価格を2倍として直近の価格を重視するといったものがあります。
EMAの導出する式は
前日のEMA + k × (当日の価格 -前日のEMA)
で表されます。
なおkには2 ÷ (n+1)といった定数が割り当てられ、nには期間の値が代入されます。12日EMAならnには12が代入されます。
ちなみにExcelでもEMAは簡単に算出できます。B28のセルには、前日のEMAであるB27、当日の価格をA28、nを12日とした計算式を入れています。A1からA100までは各日付の価格をサンプルとして入力しています。
なおEMA初日は前日のEMAが存在しないため、単純移動平均の値を用いています。
EMAからMACDを算出
上記の式で12日と26日それぞれのEMAが算出できたら、その差をとればMACDの値が導出されます。
下図ではD28へ12日EMAから26日EMAを差し引いたものを入力しています。
計算式を入れて下のセルへコピーしていけばMACD線が得られます。
シグナルと合わせて使おう
シグナルはMACDのEMAが用いられます。
前述の図では9日のシグナルとして計算式を入力し、チャートを描画しています。
MACDには指数平滑移動平均の理解、そしてシグナルと合わせて使うことが重要です。
各計算式を理解して、MACDを有効に活用しましょう。
MACDをもっと有効に使うために
MACDとボリンジャーバンドを併用
自身はインジケータは単体で使うより、複数の判断材料を合わせて使っています。
たとえばMACD以外に使っているものとして、ボリンジャーバンドも利用しています。
ボリンジャーバンドも2σや3σなどを用いて、価格帯の動きを評価してくれるインジケータです。
そんな感じでインジケータの確度を上げるべく、材料の候補をいくつか持って投資判断の材料として検討しています。
日足や週足などMACDの期間設定を検討する
前述したようにMACDは期間設定を変更することが可能であり、また期間を変えることで得られるラインは変わってきます。
長期投資をしている筆者は日足や週足のMACDをよく参照していますが、デイトレードをされている方はまた違った期間設定で参照しているようです。
そんな感じで自身のトレード手法に応じて、使う期間設定を検討していく必要があることも覚えておきましょう。