株式投資手法のひとつ、ナンピン買いとは。やり方を解説します。

様々な投資手法のある株式投資ですが、その手法のひとつに『ナンピン買い』があります。

今日の記事ではそんなナンピン買いの長所短所、やり方など詳しく紹介していきます。

☆ 投資にはリスクが存在します。余裕資金と自己責任の及ぶ範囲で検討しましょう。

 目次

ナンピン買いとは

語源は難平買いから

株式投資をしていると、『ナンピン買い』『ナンピンする』といった言葉を一度は耳にすることがあります。

ナンピン買いの語源を調べてみたところ、『難平買い』といった言葉から来ているようです。

漢字にすると分かりやすく『難を平らにする買い方』といった意味がよく分かります。

難とは『株価の下がる困難な状況』を指し、その状況を平らにする投資手法がナンピン買いの基本となります。

ナンピン買いは平均取得単価を下げる

ナンピン買いの目的は、株式買付における平均取得単価を下げることにあります。

株式投資を継続していると理解が出来るのが、実は株式下落場面は買い増しのチャンスの可能性があるということ。

持っていた株価が下がると含み損が発生してげんなりしてしまいがちですが、将来的に株価が戻ることを期待できるならば、下落場面の買い増しは利ざやを増やすチャンスだったりします。

株の長期投資とナンピン買い

株式投資におけるナンピン買いは、長期投資で伸びている銘柄であれば相性の良い投資手法かもしれません。

たとえば自身はインデックス投資を、長期投資として継続しています。インデックスとはS&P500など代表的な指数を指し、その指数と共に変動する銘柄へ投資することがインデックス投資となります。

そういった代表的な指数の5年や10年の騰落率を調べて、伸びていればナンピン買いを検討できる余地があります。

株式投資をしていると必ずと言っていいほど暴落を経験します。そんな暴落を経験しても、数年単位で伸びているインデックス投資銘柄があれば、ナンピン買いが活きてくるかもしれません。

ナンピン買いのやり方

ナンピン買いの例

それではナンピン買いの例を参考に、ナンピン買いの効果について確認してみましょう。

今回のナンピン買いでは、下記の条件で実施します。

1日目の取得価格 1000円
2日目の取得価格 800円
3日目の取得価格 750円
4日目の取得価格 500円
5日目の株価   800円

グラフにするとこんな感じです。

ちなみにナンピン買いは価格の下がった4日目まで実施をした例となります。5日目終了時は価格が戻ったのでナンピン買いはしていません。

するとナンピン買いをしたときは平均取得単価762.5円、5日目取引終了時点で一株当たりの損益はプラス37.5円。

1日目で株式を1000円で取得してそのままであれば平均取得単価は1000円。5日目の取引終了時点で一株当たりの損益はマイナス200円になります。

ナンピン買いの計算機にExcelを活用

ナンピン買いの平均取得単価の計算は簡単です。計算機でも算出できますが、Excelを活用するともっとラクに計算できます。

上記の例では、1日目から4日目までを足しこんで平均取得単価を算出しています。計算に必要な関数はAverage関数。範囲は1日目から4日目までの取得価格です。

そして株価が上昇に転じたときに、平均取得単価との間で利ざやが取れれば、それが一株当たりの利益となります。

ドルコスト平均法と合わせて考える

ドルコスト平均法は定期的な買い付け手法になります。株価下落場面で多く買い、株価上昇場面では少なく買い付け、長期的に資産を守りながら少しずつ利益を確保していく手法です。

下落場面で多く買う、といった点ではナンピン買い手法と少し似ているかもしれません。

投資上級者ともなると、ドルコスト平均法で長期投資を継続しながら、株価下落場面ではナンピン買いでさらに買い増す手法を取ることもできます。

ちなみにドルコスト平均法については過去記事でも紹介しています。

『ドルコスト平均法のやり方とは』

パフォーマンスを発揮するためにも、様々な取引手法の長所と短所を学んでいきましょう

ナンピン買いの注意点

ナンピン買いは株式価格が戻ることが前提

ナンピン買いの買い増しは、株式価格が戻ることが前提であることを覚えておきましょう。

当然ですが株価の戻らない銘柄へナンピン買いをしても、平均取得単価が下がるだけで利益が出ることはありません。

下落場面でチャンスとばかりに安易に買い増しをする前に、まずは自身のトレードの期間設定での騰落率などを調べて、上昇が期待できそうであればナンピン買いを検討してみましょう。

ナンピン買い増しのリスク

『いつかは利益が出るだろう』とナンピン買いをしていても、株価はランダムウォークで変動し続けるため、自身の損益分岐点をいつ超えてくるかは確実な予想は出来ません。

つまりナンピン買いをしたものの、利益が出るまで時間がかかってしまい、その間は利確できずに塩漬けとなってしまう可能性もあります。

そうならないためにも、買付余力や期間設定には余裕を持って、柔軟な取引が出来るよう自身のポートフォリオを組み直しておきましょう。