株価の決まり方、他の株主の思考を考える上で大切な『板読み』。
板で表示される数値など、板から得られる情報について詳しく解説していきます。
☆投資にはリスクが伴います。自身の許容範囲で自己責任で実施しましょう。
◇ 株の約定価格に関わる板の読み方
○ 板で他株主の注文状況が把握できる
○ 板の価格の刻み方は銘柄による
○ 板で分かる注文量は流動的
◇ 株価の板の読み方で取引手法を考える
○ 株取引での板が厚いとは
○ 株取引での板が薄いとは
○ 板の厚さや薄さは注文のしやすさに関わる
◇ 株価の板の読み方は判断材料のひとつ
○ 注目銘柄のニュースや決算も合わせて注目
○ 歩み値の履歴も閲覧しよう
株の約定価格に関わる板の読み方
○ 板で他株主の注文状況が把握できる
株取引をするなら買いと売りの需給バランスを把握することが大切です。
その需給バランスを可視化してくれるものが板です。気配値とも呼ばれることもあり、どんな値段でどれくらいの買い注文もしくは売り注文が入ってくれるのかを教えてくれます。
最近のインターネットで売り買い可能な証券会社であれば、板は無料で使えるところが多くなっています。売り買いをする前にまずは板を確認してみましょう。
○ 板の価格の刻み方は銘柄による
いろんな銘柄の板の価格について注目すると、板の価格の刻み方に違いがあることが分かります。
たとえば株価が300円前後で推移しているものであれば、買い注文や売り注文の値段は1円単位で動いていたりします。一方、株価が3000円前後であれば5円単位で値段が動いていたりします。
株の価格の刻み方は、株価の大きさにより差異があります。どんな単位で買えるかも、板を実際に見て価格の刻み方を確認しましょう。
○ 板で分かる注文量は流動的
板情報からは値段のほか株の買い注文数、売り注文数も把握することができます。
注文量は同一銘柄であっても流動的なものです。注目の度合いよっては注文量が増えることがあったり、逆に減ることも多々あります。
株価自体の動きも大切ですが、しっかり約定させていくためには板で注文量も着目するようにしましょう。
株価の板の読み方で取引手法を考える
○ 株取引での板が厚いとは
株取引で板を利用するときに「板が厚い」、逆に「板が薄い」といった表現を見たり聞いたりすることがあります。
ここで言うところの「厚い」や「薄い」は、注文数量を表現しています。注文数が多ければ「厚い」、逆に注文数が少なければ「薄い」と表現します。
たとえば上記画像での板を比較すると、売り株数と買い株数ともに板が厚いのは左のほうになります。
○ 株取引での板が薄いとは
上記画像での比較だと、右のほうが薄い板になります。
板の厚さや薄さは銘柄によるところも多ければ、同一銘柄でも常に変化しています。
そして板の厚さや薄さの違いにより、注文方法についても検討していく必要があります。その注文戦略について考えてみましょう。
○ 板の厚さや薄さは注文のしやすさに関わる
たとえば株の注文方法の主たるものに「指し値注文」というのがあります。板の厚さ、薄さで注文のしやすさが変わってきます。
上記画像の板で考えてみましょう。板が厚い左のものであれば、300円の売りが3000株分入っているので、3000株分の買い注文を受け付けてくれます。一方、板が薄い右のものであれば300円で売りたり人が300株分しか入っていないので、300株分までしか受け付けてくれません。
このように板が厚いと「指し値注文」の入れやすさが変わってきます。板が薄いと自身の売買したい値段の候補が少なかったり、条件が変わってきます。
板の厚さや薄さによっては「指し値注文」のほか、「成り行き注文」なども候補に入れて検討してみると良いでしょう。
株価の板の読み方は判断材料のひとつ
○ 注目銘柄のニュースや決算も合わせて注目
前述したように株取引での板の厚さ、薄さは流動的です。
たとえばニュースで決算情報などが流れると、利益や損失状況など成績により株の注目度も変化し、売買それぞれの板の厚さや薄さも変化することがあります。
板を利用した売買戦略も手段のひとつ。注目銘柄に関してはその決算やニュースもしっかりチェックしていきましょう。
○ 歩み値の履歴も閲覧しよう
「歩み値」とは、「300円で200株約定した」など売買金額毎の約定状況を表したものです。
板を更新すれば、価格毎の買い注文や売り注文がどれくらい入っているかといった変化を把握できます。一方、歩み値は、もう少し具体的に買いや売りそれぞれの金額と約定の数を提供してくれます。
利用している証券会社にもよりますが、「歩み値」についてもアプリなどで無料で提供してくれるところがあります。板情報と合わせて、歩み値も利用して株の注文状況の把握に努めましょう。