株価の今後の変動率予想などに用いられる【vix指数】
今日の記事ではそんなvix指数の指し示すもの、計算式などについて詳しく解説していきます。
☆ 投資にはリスクが存在します。必ず自己責任かつ余裕資産の及ぶ範囲で検討するようにしましょう。
○ vix指数の概要について
○ vix指数は恐怖強欲指数の要素
○ トレーディングビューで確認できる
◇ vix指数の株式価格予想変動率や計算式
○ vix指数とインプライドボラティリティ
○ vix指数の計算式
○ vix指数と今後の株価変動範囲
◇ vix指数利用の注意点
○ 予想株価変動率と必ずしも合致しない
○ あくまでも検討材料のひとつ
vix指数とは
vix指数の概要について
volatility Index:vixの概要についてまず確認していきましょう。
volatilityとは訳すと変動率、Indexは指数や指標を意味します。株式投資におけるVolatiliy Indexとは、それら株価の予測変動率を端的に表します。
vix指数は米国株式指数S&P500を参考に、その指数を計算しています。
主にS&P500の今後30日間の変動範囲などを予想していて、その計算式を元に予測変動率も計算されています。
格計算式などについての詳細については後述します。
vix指数は恐怖強欲指数の要素
過去記事でも紹介した【恐怖指数と強欲指数】。
恐怖指数と強欲指数の算出には
・株価の勢い
・株価の強さ
・株価レンジ
・プットオプションとコールオプション
・ジャンク債需要
・市場のボラティリティ
ボラティリティを測定するVolatility index
・安全資産の需要
が要素として計算されており、列挙した中に示すようにvix指数も要素のひとつとして存在しています。
vix指数を学ぶなら、強欲指数や恐怖指数も合わせて学ぶと効果的です。これら指数に関しては過去記事でも紹介しているので、よければ参考にしてみてください。
【投資の強欲恐怖を測るfear and greed index】
トレーディングビューで確認できる
vix指数はtradingviewでも確認することができます。
トレーディングビューでのvix指数の確認方法は、まずマーケットサマリーの「指数タブ」を選択した状態で、その他の指数をクリックします。
するとその先に米国株指数と合わせて、vix指数が表示されています。
この画面まで来ればvix指数の現在値や変動率を知ることができます。
それではvix指数の確認方法を習得したところで、その計算式について確認していきましょう。
vix指数の株式価格予想変動率や計算式
vix指数とインプライドボラティリティ
vix指数算出の元になるものにインプライドボラティリティがあります。
それぞれ訳すとimplied = 暗に意味する、volatility = 変動率の意味になります。
そんなインプライドボラティリティはコールオプション(買う権利)、プットオプション(売る権利)の取引値を参考に、算出されています。
そしてまたこのインプライドボラティリティはブラックショールズモデルからのオプション理論を参考としています。
vix指数にはこれらインプライドボラティリティ、ブラックショールズモデルなどが根幹となっていることを覚えておきましょう。
vix指数の計算式
出典:wikipedia vix指数
変数については下記の通り。
T = 満期
R = 金利
F = 満期Tのオプション取引インデックス価格で最も望ましい先渡し価格
Ki = オプション行使価格の水準
シカゴオプション取引所が公表しているvix指数においては、満期Tを30として発表されています。
vix指数と今後の株価変動範囲
vix指数は上記計算式を元に、今後30日の予測変動範囲を算出するのに用いられることがあります。
vix指数を元にした予測変動範囲は
予測変動率 = vix指数 / √12
といった計算式がよく使われています。たとえばvix指数が10のとき、上記計算式では予測変動範囲は2.88%程度と算出されます。
vix指数が10から40の範囲において、上記計算式を元に予測変動範囲を算出してみました。よければ参考にしてみてください。
vix指数利用の注意点
予想株価変動率と必ずしも合致しない
相場が開いているとき、自身は毎日vix指数を確認しています。
結論からいえば必ずしも合致しないといった印象があります。
たとえば相場で売りが殺到してvix指数が30に達したとき、上記計算式を参考にするならば「8%程度暴落するのではないか」なんて考えそうになります。
ですが今年の相場を振り返ってもvix指数と予測変動範囲が必ず合致していたわけではありませんでした。
このように株式投資をする上では、振り返って自身が投資判断の材料とした指標を見つめ直すことも大切です。
あくまでも検討材料のひとつ
自身のvix指数の考え方としては、予測変動範囲までの暴落リスクを織り込んで、自身のポートフォリオを守るための手段として考えています。
たとえば利幅を大きくとるために、資金のほとんどを相場へつぎ込み、暴落してしまって長期間ホールドとなると多くの機会損失を生んでしまいます。
そんなときvix指数をひとつの判断材料とすれば、暴落リスクを鑑み、どれだけ手元資金を残しておくべきかの検討材料となってくれます。
必ず当たる指数は存在しませんが、使い方よっては自身の資産を守る材料ともなってくれるので、これら指数は学び検証し続けることが大切です。