年収アップを考えるなら『転職活動』が大切になります。
そして自身の希望に沿う待遇を獲得するには、転職活動のやり方も重要です。
本記事では、そんな年収アップへつながる転職活動の方法について解説していきます。
○ 年収や給料を上げるには転職が重要
○ 厚生労働省資料にみる賃金と転職
○ 多業種で人手不足な求職者に有利な売り手市場
◇ 転職で収入を上げるための具体的な方法
○ 年収や給料を上げたいなら歩合制転職も選択肢
○ 30代以降で年収を上げるには人手不足職種もあり
○ 転職エージェントを使った年収や給料の上げ方
◇ 年収を増やす方法の実践前に注意したいこと
○ 業種や職種ごとの平均年収を確認する
○ 持続可能な働き方も視野に入れる
○ 求人広告の見方にも注意する
会社員が収入を上げるには
年収や給料を上げるには転職が重要
まず覚えておきたいのが、会社員が年収を上げるには『転職』がとても重要になるということ。
おそらく多くのビジネスパーソンは入職した会社において、社歴や経験を重ねることで昇給されている方も多いはず。
そして昇給幅で将来的な年収の天井も見えてきている方も多いことでしょう。
そんな在職中の将来的な年収予測に対して
『生活は成立してるし、おおむね満足してる』
『もっと稼働方法、稼働時間を増やして稼ぎたい』
という風に、所属している企業に対する考え方は様々あります。
『おおむね満足している』なら取り立てて問題はありませんが、『もっと稼ぎたい』と考えているなら行動が必要です。
行動には『在職企業へ年収アップを交渉する』といった方法もありますが、定期昇給やベースアップの幅が決められているなら、自分の要望に合う収入へ至るかは疑問です。
なので給与アップには、実は『転職』活動をすることが近道だったりします。
厚生労働省資料にみる賃金と転職
ここで賃金と転職に関する厚生労働省のデータを見てみましょう。
出典:厚生労働省 雇用動向調査
上記データでは令和5年上半期の転職入職者の賃金データを示しています。
データから読み解けるのは前職の賃金に比べて「増加」した割合は38.6%、「減少」した割合は33.2%、「変わらない」の割合は26.4%となっています。
また、「増加」のうち「1割以上の増加」27.2%となっている点も注目です。
この転職による収入の増加割合38.6%は、筆者の観点からすると確度高く、上手く転職活動をはこべば年収アップも可能と考えています。
また転職で収入アップが達成された人々の間で、1割以上の増加が27.2%もいるのは特筆すべき点ですね。
たとえば前職で年収500万円だった人が、転職により年収550万円以上となった人が27.2%もいると考えれば、転職活動は大きなインセンティブにつながると言えます。
多業種で人手不足な求職者に有利な売り手市場
ニュースを定期的に見ていると分かりますが、現在の日本では多くの業種で『人手不足』です。
そして、そんな人手不足は労働市場における求職者側が有利な『売り手市場』とも言えます。
たとえば売り手市場な業種は、ニュースでよく見かける『介護』や『物流』だけに留まりません。
昨今の円安も相まって『観光業』も人手不足。
せっかくインバウンドによる外国人の観光客が増えているにも関わらず、観光業の人手不足によりホテルなどの供給が追い付いていない状況があります。
他には『建設業』も人手不足。
これまで日本の建設業を支えてくださった職人、一人親方などの方々が高齢化しており、後進の育成が追い付かず人手不足となっています。
そしてこれからの日本を支える『通信業』も人手不足となっています。
企業のソフト、ハード面を支えるエンジニアは常に人手不足の状況にあり、せっかくもっと進めたであろうIT化も、その速度の進み方はまだ芳しくありません。
このようにざっと列挙しただけでも、たくさんの業種で人手不足にあり、求職者にとって格好の売り手市場となっています。
次章では求職者側の希望、ポテンシャルを上手に活用するために。具体的な転職活動の進め方を解説していきます。
転職で収入を上げるための具体的な方法
年収や給料を上げたいなら歩合制転職も選択肢
転職して年収を上げるなら『歩合制』の仕事に就くことも一つの選択肢です。
歩合制とは『インセンティブ制度』とも呼ばれ、成果報酬型の働き方になります。
イメージしやすいのは『営業職』。
営業職は基本給のほか、歩合制の給与体系も内包されており、毎月の売上による歩合部分が給料に上乗せされる仕組みが多く採用されています。
また歩合制を取る営業職でも覚えておきたいのが『業種の幅』。
歩合による給与上乗せ部分は、業種や取り扱い商材の単価により決まる部分があります。
たとえば不動産などは頻繁には売れないものの、価格が高いため、歩合による給与上乗せ部分は大きく取っているところもあります。
なお、どれだけ求職者へインセンティブを提示しているか否かは、企業によって大きく異なります。
なので転職で給与アップを狙うなら、『歩合制』と『歩合の上乗せ割合』などをしっかりチェックして、転職活動を進めることが肝要です。
30代以降で年収を上げるには人手不足職種もあり
求職者に有利な転職活動を進めるなら、『人手不足の職種』も視野に入れてみましょう。
先ほどは『人手不足な業種』を紹介しましたが、職種においても雇用者と求職者の需給にギャップが存在します。
特に30代で未経験業種、未経験職種へ転職で挑戦するならば、それらは大事な要素となってきます。
たとえば売り手市場な職種には『ドライバー』があります。
ドライバーにもまた様々な職種があり、『タクシー運転手』や『バス運転手』は人手不足な状況が続いています。
あまりの人手不足な状況のため、二種免許取得を支援してくれる企業もあるほどです。
それら『人々の足』となる公共を担うドライバー業務は、これからも底堅い需要があります。
そのほかドライバーの職種なら『荷役』の運転手も人手不足。
最近では『働き方改革』による労働規制もあり、トラックドライバーが不足している状況です。
こちらも『生活を物流で支援』する大事な仕事であるため、転職先としては末永い需要がある仕事といえるでしょう。
あくまでドライバーは人手不足な職種の一例です。ほかにも年収アップへつながる人手不足な職種もあるので、自身の希望に添える仕事を探してみましょう。
転職エージェントを使った年収や給料の上げ方
年収を増やすには『転職エージェント』を使った転職活動もひとつの方法です。
『リクルートエージェント』など、転職エージェントを使えば、希望年収に合う仕事があるか否か、カウンセリングを受けることが出来ます。
そして年収アップにつながる転職候補が見つかれば、エージェントが転職候補先への年収交渉や、面接日程調整などもやってくれます。
在職中なら自身で難しい年収交渉、面接日程調整などをやってくれるのはありがたい話ですね。
また、最近では『ビズリーチ』のように、登録しておけばヘッドハンターが積極的ないスカウトしてくれるサービスもあります。
ほかにも『マイナビ』や『DODA』のように、転職サイトへ登録し、年収でフィルタリングして探すのも転職で年収アップへつながる可能性があります。
転職方法にもいろんな選択肢が出てきた昨今。
在職中の待遇に違和感があるならば、まずはそれらサイトへ求職者として登録することから始めるのもいいでしょう。
年収を増やす方法の実践前に注意したいこと
業種や職種ごとの平均年収を確認する
さて、これまで給料を増やす方法について確認してきましたが、いくつか注意点もあります。
まずは『業種や職種ごとの平均年収』を確認すること。
当然といえば当然ですが、業種もしくは職種ごとの平均年収には大きな差が存在します。
たとえば最近の新卒就職では『コンサルタント』職種が人気です。
これは様々な企業へ出向いて知見を学べるといった職種の利点もありますが、コンサルタントを募集する企業の待遇が良く、求職者へ人気といった背景もあります。
逆に求職者にあまり人気がなく、人手不足な状況が続く業種や職種もあります。
それら業種や職種は就職はしやすいものの、待遇や労働環境がいまひとつなものも存在します。
ふつうに考えれば待遇を良くすれば求職者が増えそうなものですが、賃金を上げると経営困難となる企業も多く、労働分配率を上げられない構造的な問題もあるようです。
なので年収アップには売り手市場か否かだけでなく、各業種や職種の平均年収をしっかりと確認し、自身の希望に沿う転職先を見つけていきましょう。
持続可能な働き方も視野に入れる
もうひとつ年収アップのための転職で覚えておきたいのが『持続可能な働き方』。
せっかく年収がアップしても、持続可能な働き方が出来なければ、生涯賃金を増やしていくことにはつながりません。
たとえば転職先が激務であり、ついていけず体調を崩しがちになれば、働き続けることは困難です。
また、歩合制で大きく稼いでやろうと勇んで転職しても、思いのほか成果や歩合給がついてこないこともあります。
特に営業職で転職した場合、コネクションがなければ、新規開拓ではじめは結構時間がかかることでしょう。
そんな時期は売上、見込み顧客、アポイントなど取れない期間もあり、なかなか会社にいずらい状況も想定されたりします。
なので転職には上手くいくことだけ想定せず、つらい時期があっても割り切って乗り切れる覚悟をもって、年収アップへ努めていきましょう。
求人広告の見方にも注意する
最後に年収アップで注意したいのが『求人広告の見方』。
転職における求人票では『年収400万円~800万円』というレンジで募集しているところは多々あります。
この場合、経験を考慮されなければ年収400万円スタートとなる可能性は大です。
また、『月の年収50万円も可能』なんて求人広告も注意が必要です。
これはあくまで50万円を稼ぐことが可能ということであり、実際は歩合がなければ基本給25万円だけだったというオチもあります。
なので求人広告は隅から隅までよく読み、疑問があれば面接で言葉を選びながら確認しましょう。
転職における年収アップには、意気込みだけでなく、雇用者側や転職仲介者のカラクリも考えて進めるようにしましょう。