年明け1月とは少し違った様相を見せた2023年2月のマーケット。
そんな2月の騰落率を振り返って、今後の株価や為替などのパフォーマンスについて考えてみましょう。
☆投資にはリスクがあり成績を保証するものではありません。余裕資金と自己責任の範囲内で検討しましょう。
○ ニューヨークダウは4.19%の下落
○ S&P500は2.61%の下落
○ NASDAQは1.11%の下落
◇ 2月の日経平均やTOPIXなど日本市場
○ 日経平均は0.43%の上昇
○ TOPIXは0.91%の上昇
○ 為替ドル円レートは6.056円の円安
◇ 2023年2月の相場関連ニュース
○ ノーランディングでの着地シナリオとは
○ インフレ動向は雇用統計から
2月のNYダウ、S&P500など米国市場
ニューヨークダウは4.19%の下落
ニューヨーク証券取引所、NASDAQ上場の30銘柄から構成されるダウ平均株価。2023年1月31日の終値は34086.06ドルに対して、2023年2月28日の終値は32656.71ドルとなり、2023年2月度の騰落率は4.19%の下落となりました。
年初来からの騰落率は1.48%の下落となります。
騰落率算出にはDJIを参考に計算しました。
DJI指数チャートより
出典:TradingView.DJIチャート.TradingView
米国株主要3指数における2023年2月の騰落率で、下落率が最も大きかったのがニューヨークダウジョーンズ平均工場業株価。
2023年初来の騰落率もマイナス圏で2月相場を終えています。
なお相場の振り返りのために、先月の各インデックスのパフォーマンスについてまとめた記事も添付しておきます。
興味のある方はぜひご覧ください。
S&P500は2.61%の下落
ニューヨーク証券取引所やNASDAQへ上場している代表500社から構成されるS&P500。2023年1月31日の終値は4076.59ドルに対して、2023年2月28日の終値は3970.16ドルとなり、2023年2月度の騰落率は2.61%の下落となりました。
年初来の騰落率は3.4%の上昇となります。
騰落率算出にはSPXを参考に計算しました。
SPXチャートより
出典:TradingView.SPXチャート.TradingView
2023年1月と違って、マイナス2.61%下落と軟調に推移した2月のS&P500。
ですが年初来騰落率は3.4%とプラス圏で終えています。
NASDAQは1.11%の下落
電子株式市場のNASDAQ。2023年1月31日の終値は11584.55ドルに対して、2023年2月28日の終値は11455.54ドルとなり、2023年2月度の騰落率は1.11%の下落となりました。
年初来の騰落率は9.45%の上昇となります。
騰落率算出にはIXICを参考に計算しました。
IXICチャートより
出典:TradingView.IXICチャート.TradingView
2023年は1.11%下落と、小幅ながらマイナス圏で終えたナスダック。
そんなナスダックで気になるのは、米国主要3指数でも下落幅が最も小さかったという点。
去年とは打って変わって、相場は底堅く推移しています。
2月の日経平均やTOPIXなど日本市場
日経平均は0.43%の上昇
日本の株式市場を代表する225銘柄で構成される日経平均株価。2023年1月31日の終値は27327.04円に対して、2023年2月28日の終値は27445.49円となり、2023年2月度の騰落率は0.43%の上昇で終えました。
年初来の騰落率は5.18%の上昇になります。
騰落率算出にはNI225を参考に計算しました。
NI225チャートより
出典:TradingView.NI225チャート.TradingView
下落した米国株指数とは違って、上昇で終えた2023年2月の日経平均株価。
1月と同様にプラス圏で終えて、年初来の高値を更新しています。
TOPIXは0.91%の上昇
東京証券取引所の時価総額や流動性の高い大型株銘柄で構成されるTOPIX。2023年1月31日の終値は1975.27円に対して、2023年2月28日の終値は1993.28円となり、2023年2月度の騰落率は0.91%上昇で終えました。
年初来の騰落率は5.37%の上昇となります。
騰落率算出にはTOPIXを参考に計算しました。
TOPIXチャートより
出典:TradingView.TOPIX指数チャート.TradingView
日経平均より更に強いパフォーマンスで終えたのがTOPIX。
2023年2月の騰落率は0.91%上昇、そして年初来騰落率も5.37%と年初来高値も更新しています。
2023年2月は米国株指数、日本株指数で明暗分かれた月となりました。
為替ドル円レートは6.056円の円安
為替相場におけるドル円レートについて着目すると、2023年1月31日の終値は130.059円に対して、2023年2月28日の終値は136.115円となり、2023年2月度のドル円レートは6.056円の円安で終えました。
年初来では5.014円の円安となりました。
騰落率算出にはUSDJPYを参考に計算しました。
USDJPYチャートより
出典:TradingView.USDJPY指数チャート.TradingView
円高で終えた先月と違って、2023年2月は6.056大きく円安へ振れたドル円レート。
ひとつの理由は2月発表の米国消費者物価指数が、市場予測より高かったこと。
そのためFRB金利政策におけるターミナルレートの引き上げが市場へ織り込まれ、ドル高円安へ振れたことが理由のひとつとして挙げられます。
2023年3月はFOMCが開催されるので、金利政策の動向をしっかりとチェックしていきましょう。
2023年2月の相場関連ニュース
ノーランディングでの着地シナリオとは
2023年2月の相場ニュースでよく目にかけたワード『ノーランディング』。
『ノーランディング』とは景気抑制的な金利政策を継続する一方で、インフレ状況が継続しながらも株価が上昇し、景気が回復していくというシナリオを指しているとのことです。
ちなみに『ハードランディング』とは、強硬的なインフレ抑制により急激な景気悪化で着地すること。
いっぽう『ソフトランディング』は対照的に、緩やかな景気後退で着地することとされています。
2023年1月の強かった相場を経て、そんなノーランディングという言葉が飛び交うようになりましたが、懐疑的な意見もまた多数存在します。
懐疑的な意見としては、やはりインフレや金利高止まりによる企業収益の圧迫。
インフレによる人件費、製造コストの上昇、また金利高止まりは資金調達コストの上昇も招き、企業収益にも悪影響があるのではないかということ。
そして企業収益の下落はもれなくeps低下、per上昇へとつながり、株価へ影響するのではないかとも示唆されています。
ノーランディングで推移していくか否か。2023年の今後の景況感、株価をしっかりチェックしていきましょう。
またノーランディングが可能となるか否かのカギとなる、いろんな経済指標についても過去記事でまとめてみました。
興味のある方はぜひご覧ください。
インフレ動向は雇用統計から
2023年のインフレ動向は雇用統計からも読み取ることが出来ます。
たとえば2月3日の雇用統計における非農業部門雇用者数は、予想を大きく超えて51.7万人。
また平均賃金は前年比プラス4.4%と上昇は継続しています。
雇用統計から読み取れることは、引き続き売り手市場で雇用は強いということ。
そして雇用の強さは継続する賃金上昇から読み取れるように、企業における人件費高止まりも意味しています。
そんな人件費高止まりもまた米国インフレーションの理由のひとつとなっています。
なので消費者物価指数、PCEデフレータより先行して発表される『雇用統計』を確認して、インフレーションの動向を見ていくのも大切です。
そんな雇用統計の見方についても過去記事では紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
少し地合いの変わってきた2023年の相場。金利政策や相場の変化も、相場関連ニュースや経済指標でしっかりチェックしていきましょう。