【転職準備】ビジネスに役立つコンピテンシー能力を高める方法とは。

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『コンピテンシー』は、個人が持つ能力やスキルの総合的なセットのこと。

これには専門知識、コミュニケーション能力、問題解決能力、リーダーシップスキルなどが含まれています。

本記事ではそんなコンピテンシーの評価尺度と活用方法について、詳しく解説していきます。

 目次

コンピテンシーとは何かを簡単に知る

コンピテンシーの意味とは

コンピテンシーの意味を簡単に説明すると、個人や組織が特定の役割や仕事を遂行するために必要なスキル、知識、態度の総体を指します。いっぽう類義語であるコンピタンスは、個人の総体である会社自身が社会に提供できる力を意味します。

ちなみにコンピテンシーは成功するために必要な能力や能力のセットを包括的に捉えたものであり、単に知識や技術だけでなく、コミュニケーション、リーダーシップ、問題解決、チームワークなどのソフトスキルも含まれるものになります。

なのでコンピテンシーは、個人の能力を評価し、開発するための基準として使用されることが増えてきています。

つまり人材採用をつかさどる組織にとっては、求人要件や業務目標に基づいて必要なコンピテンシーを明確に定義し、採用や研修の際にこれを考慮する必要が出てきました。

逆に雇用される個人にとっても、コンピテンシーを継続的に向上させることによって、職業的な成長や成功を促進することができるともいえます。

competency評価が注目される理由とは

コンピテンシー評価は、企業のような組織や人材開発のニーズから注目されることとなりました。

以下に、competency評価に焦点が当てられるようになった主な背景要因を示します。

□ 能力重視から成果重視へのシフト:
従来の採用や昇進の基準は、主に学歴や職務経験に基づいていました。しかし、これらの要素だけでは個人の実際のパフォーマンスや成果を正確に評価することができません。組織は、能力や能力のセットに焦点を当て、成果に直結する能力を評価する必要性があります。

□ 仕事分析研究の進化:
1950年代より始まった仕事分析の研究によって、仕事のパフォーマンスに関連する特定の能力やスキルを特定しました。この研究は、コンピテンシー評価の基礎となりました。

□ 労働市場の変化:
グローバル化や技術の進歩により、労働市場は競争的かつ変化が激しくなりました。組織は、競争力を維持し、優れた人材を確保するために、正確で網羅的な評価手法を必要になってきました。

□ パフォーマンス管理の向上:
組織は、従業員のパフォーマンスを向上させ、成果を最大化するための効果的なパフォーマンス管理システムを構築する必要がありました。コンピテンシー評価は、パフォーマンス管理の一環として、目標設定、評価、フィードバックのプロセスを支援する環境が出来てきました。

これらの要素が組み合わさり、組織がより効果的な人材管理と開発を追求する中で、コンピテンシー評価が生まれたといえるでしょう。

そしてコンピテンシー評価は、個人の能力や能力を客観的に評価し、組織のニーズに合った人材の選抜や開発を支援する有用なツールとなりました。

コンピテンシー能力評価を定義した開発者

コンピテンシーという評価尺度の礎を築いた方の一人にマクレランド教授がいます。

マクレランド教授(David C. McClelland)は、心理学者であり、コンピテンシー評価の分野で重要な貢献をしました。彼は、1950年代から1960年代にかけて、人間のモチベーションや成果に関する研究を行っていました。

マクレランドは、成果の達成に関連する人間のニーズや動機付けの理解に注目しました。彼は、「成果動機づけ理論」を提唱し、人間の動機づけが主に3つのニーズに基づいていると主張しました。それは、成果への成果意識(Achievement motivation)、他者との関係性への関係意識(Affiliation motivation)、権力や影響力への権力意識(Power motivation)です。

この研究を基に、マクレランドは組織や仕事の成功に必要な能力を特定するためのコンピテンシーモデルを開発しました。彼は、成果意識、関係意識、権力意識などの動機づけ要素を含む特定の能力セットが、個人のパフォーマンスや組織の成果に影響を与えると考えました。

マクレランドのコンピテンシーモデルは、個人の能力を評価し、開発するためのツールとして広く受け入れられました。彼の研究は、組織や人材開発の分野で長い間重要な指針となっています。

ビジネスに直結するコンピテンシー

コンピテンシーを高めるには

さて、ここまででコンピテンシーの型や尺度が、人材採用に結びついてるとご理解いただけたと思います。

そんなコンピテンシーバリューを高める、もしくはコンピテンシーが高いと言われるにはどうすれば良いのでしょうか。

そこで今度はコンピテンシーが低いと言われないための方法を列挙してみました。

□ 継続的な学習と自己啓発:
コンピテンシーを高めるためには、継続的な学習と自己啓発が重要です。関連する書籍や論文の読書、セミナーや研修への参加、オンラインの学習プラットフォームの利用など、自己成長を促す機会を活用するのも良いでしょう。

□ 実践と経験:
コンピテンシーは実践によって磨かれます。新しいスキルや能力を習得したら、実際の業務やプロジェクトに取り組んで経験を積んでみましょう。実践を通じて、自信や能力を向上させることができます。

□ フィードバックの活用:
自身のコンピテンシーを向上させるためには、他人からのフィードバックを積極的に受け入れましょう。上司や同僚からの具体的なアドバイスや建設的な批評を受けて、改善点や成長のポイントを把握し、それに対する改善策を実践してみるのも有効です。

□ メンターまたはコーチのサポート:
メンターやコーチの指導を受けることは、コンピテンシーの向上に役立ちます。経験豊富な人からの指導やアドバイスを受けることで、効果的なスキルや知識の獲得ができるともいえます。

□ リフレクションと自己評価:
自己評価やリフレクションを行うことで、自身の強みや成長の必要性を見つけることができます。定期的に自己評価を行い、自身の進捗状況を把握し、必要な改善点を特定して取り組んでみても良いでしょう。

□ チームやコミュニティへの参加:
コンピテンシーの向上には、他のメンバーや専門家との交流や協力が重要です。関連するチームやコミュニティに参加し、知識や経験を共有し、お互いに刺激を受けることで、自身の成長を促進することができます。

これらの方法を継続的に実践することで、コンピテンシーを高めることができます。

個人の目標や興味に応じて、適切な方法を選択し、コミットメントを持って取り組んでいきましょう。

リーダーシップとコンピテンシーの関係性

コンピテンシーとリーダーシップは密接に関連しており、管理職などリーダーシップには多くのコンピテンシーが必要でありit分野でのpm採用でも注目されています。

なので今度はコンピテンシーとリーダーシップの関係性について見ていきましょう。

□ コンピテンシーに基づくリーダーシップ:
コンピテンシーは、個人の能力や能力のセットを指します。リーダーシップは、他の人を指導し、組織やチームを目標に導くプロセスです。リーダーシップの成功には、特定のコンピテンシーが必要です。例えば、コミュニケーション能力、問題解決能力、意思決定能力、人間関係構築能力、ビジョンや戦略の構築能力などが重要となってきます。

□ リーダーシップにおけるコンピテンシーの役割:
リーダーシップは多面的な役割を持ちますが、コンピテンシーはその役割の遂行に不可欠です。例えば、コミュニケーション能力は、ビジョンや目標の伝達、チームメンバーとの効果的なコミュニケーションを通じた協力の促進に重要となります。問題解決能力や意思決定能力は、困難な状況や課題に対処し、正しい方向への判断を下すために必要といえるでしょう。

□ コンピテンシー開発とリーダーシップの向上:
リーダーシップは学習と発展の過程であり、コンピテンシーの開発はリーダーシップの向上に直結します。リーダーシップのコンピテンシーを向上させるためには、継続的な学習と自己啓発、経験の積み重ね、フィードバックの活用などが重要になります。また、他の優れたリーダーから学ぶことや、メンターやコーチのサポートを受けることも効果的です。

□ エフェクティブなリーダーシップの実践:
コンピテンシーのレベルが高いリーダーは、組織やチームを成功に導きます。彼らは、ビジョンを明確にし、目標を設定し、他の人々をモチベートし、協力を促進し、困難な状況に対処する能力を持っているという特徴があります。つまりコンピテンシーを持つリーダーは、組織の目標達成やメンバーの成長を促進することができます。

これらをふまえると、コンピテンシーはリーダーシップの基盤となり、リーダーシップの成功には適切なコンピテンシーの発展と運用が不可欠です。リーダーシップを発揮するためには、コンピテンシーの向上と継続的な成長が重要となることが分かります。

コンピテンシーは看護師人材評価にも

日本の看護師評価における管理方法として、コンピテンシーは重要な要素として広く活用されています。以下に、コンピテンシー評価用紙の書き方も考慮して、現場でどのように使われているか一般的な例を示してみました。

□ 職務遂行能力の評価:
看護師の職務遂行能力を評価するために、コンピテンシーモデルが使用されます。このモデルは、看護師の役割や職務に必要なコンピテンシー(例:臨床スキル、コミュニケーション能力、リーダーシップ能力など)を明確に定義し、評価基準として活用されています。

□ スキルアップやキャリア開発のための目標設定:
看護師は、自身の成長やキャリアの進展を目指して、コンピテンシーの向上に取り組むことが求められます。評価プロセスにおいて、看護師と上司や指導者は、現在のコンピテンシーレベルを評価し、将来的な目標や必要なスキルの開発に向けた計画の立案に寄与します。

□ 教育・研修のプランニング:
看護師のコンピテンシーレベルを把握し、不足している領域を特定することで、効果的な教育・研修プログラムが計画されます。コンピテンシー評価は、教育ニーズの分析や研修計画の策定に活用され、看護師のスキルや知識の向上に貢献しています。

□ 昇進や報酬の評価基準:
コンピテンシーモデルは、昇進や報酬の評価基準としても使用されます。看護師のコンピテンシーレベルが、役割や責任の拡大、リーダーシップの発揮、高度な業務の遂行などと関連付けられる場合、昇進や報酬の決定に影響を与えることがあります。

これらの方法によって、コンピテンシー評価は、日本の看護師評価において看護師の能力や成果を客観的に評価し、個人の成長や組織の効果的な人材管理を支援しているという現状となってきました。

コンピテンシーと人材バリューの関連を理解する

コンピテンシーと採用制度とリンクしている

コンピテンシーと人事採用の関係は非常に重要といえます。たとえば採用プロセスでは、候補者のコンピテンシーを評価し、組織の求める能力やスキルに適合する人材を選択することが求められます。

ということでコンピテンシーと採用の関係性について列挙してみました。

□ コンピテンシーベースド・アプローチ:
近年、企業はコンピテンシーベースド・アプローチを採用して採用を行っています。これは、求めるコンピテンシーを明確に定義し、応募者のコンピテンシーを評価する方法です。候補者の履歴書や面接だけでなく、適性検査や実務演習などの方法を使って、候補者のコンピテンシーを客観的に評価します。

□ 必要なコンピテンシーの特定:
採用プロセスでは、求めるコンピテンシーを特定することが重要です。組織の戦略や目標に応じて、必要なスキル、知識、行動パターンなどのコンピテンシーを明確に定義します。これにより、求めるポジションに最も適した候補者を特定することができます。

□ コンピテンシーに基づく評価:
応募者のコンピテンシーを評価するために、様々な方法が使用されます。これには、面接での行動ベースの質問やシミュレーション、適性検査、アセスメントセンターなどが含まれます。これらの評価方法を通じて、候補者のコンピテンシーを客観的に評価し、採用の決定を下します。

□ 長期的な成功と適応性の評価:
コンピテンシーは候補者の長期的な成功と適応性に関連しています。採用プロセスでは、将来の成長やポテンシャルを評価することも重要です。候補者のコンピテンシーが、組織の将来的なニーズや変化に対応できるかどうかも考慮されます。

□ コンピテンシー開発とトレーニング:
採用後もコンピテンシーの開発とトレーニングが重要です。

こんな感じで採用とコンピテンシーはリンクしており、そして採用後のキャリア形成の観点からも注目されています。

コンピテンシーとスキル、アビリティの違い

ところでこの『コンピテンシー』ということば。『スキル』や『アビリティ』と似て非なるものといったところがあります。

ということでそれぞれのことばの特徴を列挙してみました。

□ コンピテンシー(Competency):
コンピテンシーは、個人が特定の役割や仕事を遂行するために必要な能力や能力のセットを指します。これには、知識、スキル、態度、特定の行動パターンなどが含まれます。コンピテンシーは、成功するために必要な総合的な能力や能力を示す概念です。

□ スキル(Skill):
スキルは、特定の作業やタスクを実行するために習得された能力や技能を指します。スキルは、実践、経験、訓練などを通じて獲得されることが多く、具体的な行動や作業の実行に関連しています。具体的な技術や操作方法を含む場合もあります。

□ アビリティ(Ability):
アビリティは、個人が特定の認知的なタスクや問題に対処するための能力や潜在能力を指します。これには、知覚、学習、思考、論理的な推論、空間認識、記憶力などが含まれます。アビリティは、先天的な傾向や能力の素地に関連しており、個人の潜在的な能力を示す場合があります。

まとめるとコンピテンシーは広範で包括的な能力や能力のセットを指し、スキルは特定の作業やタスクを実行するための具体的な能力を指し、アビリティは個人の潜在的な能力や認知的な能力を指すといえるでしょう。

コンピテンシー評価を理解して、人材価値の推し量り方を考えてみよう。

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