2022年11月度の相場を終えて、いよいよ年末も見えてきた金融相場。
そんな年末ラリーに向けて日経平均や米国株、ドル円の方向性について今一度振り返ってみましょう。
☆投資にはリスクが伴います。余裕資金と自己責任の範囲内で検討しましょう。
○ ニューヨークダウは5.67%の上昇
○ S&P500は5.38%の上昇
○ NASDAQは4.37%の上昇
◇ 11月の日経平均やTOPIXなど日本市場
○ 日経平均は1.38%の上昇
○ TOPIXは2.91%上昇
○ 為替ドル円レートは10.563円の円高
◇ 今後の相場動向について
○ 12月に年末ラリーは来るか
○ ドル円為替変動をどう考えるか
11月のNYダウ、S&P500など米国市場
ニューヨークダウは5.67%の上昇
ニューヨーク証券取引所、NASDAQ上場の30銘柄から構成されるダウ平均株価。2022年10月31日の終値は32732.96ドルに対して、2022年11月30日の終値は34589.77ドルとなり、2022年11月度の騰落率は5.67%の上昇となりました。
年初来からの騰落率は4.81%の下落となります。
騰落率算出にはDJIを参考に計算しました。
DJI指数チャートより
出典:TradingView.DJIチャート.TradingView
10月の14%上昇の勢いそのままに、11月も上昇を続けたニューヨークダウジョーンズ平均工業株価。
年初来騰落率もー4.81%にまで迫り、年始の株価へどこまで近づけるか注目が集まります。
なお相場の振り返りのために、先月の各インデックスのパフォーマンスについてまとめた記事も添付しておきます。
興味のある方はぜひご覧ください。
2022年10月の日経平均、ダウ、ドル円為替相場を解説します
S&P500は5.38%の上昇
ニューヨーク証券取引所やNASDAQへ上場している代表500社から構成されるS&P500。2022年10月31日の終値は3871.97ドルに対して、2022年11月30日の終値は4080.11ドルとなり、2022年11月度の騰落率は5.38%上昇となりました。
年初来の騰落率は14.39%の下落となります。
騰落率算出にはSPXを参考に計算しました。
SPXチャートより
出典:TradingView.SPXチャート.TradingView
ダウジョーンズと同様に、5.38%の上昇と11月も強い地合いで終えたS&P500。
どこまで上昇が続き、そしていつからレンジ相場へと移行していくのか、引き続き相場をチェックしていきましょう。
NASDAQは4.37%の上昇
電子株式市場のNASDAQ。2022年10月31日の終値は10988.15ドルに対して、2022年11月30日の終値は11468ドルとなり、2022年11月度の騰落率は4.37%の上昇となりました。
年初来の騰落率は26.7%の下落となります。
騰落率算出にはIXICを参考に計算しました。
IXICチャートより
出典:TradingView.IXICチャート.TradingView
11月は4.37%の上昇も、ダウジョーンズ株価と比較して少し上値の重たいナスダック。
利上げで最も影響を受けているだけに、今後の金利政策において利上げ減速や利下げがいつになるか、しっかり確認していきましょう。
11月の日経平均やTOPIXなど日本市場
日経平均は1.38%の上昇
日本の株式市場を代表する225銘柄で構成される日経平均株価。2022年10月31日の終値は27587.39円に対して、2022年11月30日の終値は27968.92円となり、2022年11月度の騰落率は1.38%の上昇で終えました。
年初来の騰落率は2.86%の下落になります。
騰落率算出にはNI225を参考に計算しました。
NI225チャートより
出典:TradingView.NI225チャート.TradingView
11月は1.38%の上昇となるも、米国株指数と比較して少し上値の重たい日経平均。
理由のひとつは円高が進んだことによる、日本株の割安感が減ったことが考えられるかもしれません。
それでも年初来ー2.86%まで迫ってきており、どこまで株価の上昇が続くか気になるところです。
TOPIXは2.91%上昇
東京証券取引所の時価総額や流動性の高い大型株銘柄で構成されるTOPIX。2022年10月31日の終値は1929.43円に対して、2022年11月30日の終値は1985.57円となり、2022年11月度の騰落率は2.91%上昇で終えました。
年初来の騰落率は0.34%の下落となります。
騰落率算出にはTOPIXを参考に計算しました。
TOPIXチャートより
出典:TradingView.TOPIX指数チャート.TradingView
日経平均と比較して2.91%上昇と、上昇幅の大きかったTOPIX。
なんといっても注目は年初来騰落率。いよいよマイナス0.34%にまで迫ってきました。
年初来株価を更新なるか、今後の相場から目を離せませんね。
為替ドル円レートは10.563円の円高
為替相場におけるドル円レートについて着目すると、2022年10月31日の終値は148.687円に対して、2022年11月30日の終値は138.124円となり、2022年11月度のドル円レートは10.563円の円高で終えました。
年初来では23.034円の円安となりました。
騰落率算出にはUSDJPYを参考に計算しました。
USDJPYチャートより
出典:TradingView.USDJPY指数チャート.TradingView
11月には10.563円と大きく円高方向へ動いたドル円相場。
理由は11月10日発表のアメリカCPI。同日発表のCPIでは、前年同月比で7.7%と予想を下回り。
そのため市場関係者はインフレ鈍化、そしてFRB利上げ圧力低下を予想。そのためドル買い圧力も低下する形となりました。
今後の急激な為替変動には注意しておきましょう。
今後の相場動向について
12月に年末ラリーは来るか
これまでの相場の歴史を振り返ると、アノマリー的には強い12月の相場。
年末に向けて株価が上がっていくという『年末ラリー』が今年もやってくるのかという点に、市場関係者の注目が集まります。
年末ラリーがやってくるか否かは12月13日発表の『米国11月消費者物価指数』、そして12月14日発表の『FOMC金利政策発表』が焦点になります。
消費者物価指数でインフレーション鈍化が著明であれば、利上げの手も緩められ株価上昇に期待できるかもしれません。
逆に消費者物価指数でインフレーション止まらずといったところであれば、利上げ緩まず株価の上値も重たくなる可能性もあります。
なので12月発表の消費者物価指数、FOMC金利政策についてはしっかりと確認していきましょう。
なお消費者物価指数などの経済指標、FOMCについては過去記事でも紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
ドル円為替変動をどう考えるか
ドル円の為替が変動すると金融資産にも大きな影響があります。
たとえば円高が進むと
◆ ドルの外貨預金が為替損失が出る
◆ 保有米国株に為替差損が出る
◆ 日本株の割安感が減る
といった可能性が考えられます。逆の円高の効用としては
◇ ドルに対して円の価値が上がる。
◇ 米国株の円貨決済買付費用が安くなる
といったものも挙げられます。
そんな為替変動ですが米国株などの金融商品では一部では、為替の影響を可能な限り抑える『為替ヘッジあり』といった商品も存在します。
為替ヘッジに関してはそのメリット、ヘッジコストについて過去記事で紹介してます。
興味のある方はぜひご覧ください。
年末も見えてきた2022年の金融相場。年末ラリーは開始されるかしっかりと注視していきましょう。