チャートテクニカル分析でのフィボナッチトレースメントの使い方とは

チャートテクニカル分析でのフィボナッチトレースメントの使い方とは
       

株価やfxなど投資テクニカル分析の手法である『フィボナッチリトレースメント』。

今日なそんなフィボナッチの計算方法、使い方について詳しく解説していきます。

☆投資にはリスクがあり成績を保証するものではありません。余裕資金と自己責任の範囲内で検討しましょう。

 目次

フィボナッチ数列と分析の概要

フィボナッチ比率とは

今回紹介するテクニカル分析手法のひとつ『フィボナッチリトレースメント』は、フィボナッチ比率を基に「押し目買い」や「戻り売り」のラインを検討するものです。

フィボナッチ比率は、数学者レオナルド・フィボナッチにより発見された「Fibonacci number」により導出される比率を指します。

フィボナッチ数列とは『1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89…』と続いていく数列を指し、その数列が構成される理由として「前に出てくるふたつの数字を加算すると次の数が導出される」といったルールによります。

たとえばフィボナッチ数列の始まりを例示すると下記の通り。

2 = 1  +1
3 = 1 + 2
5 = 2 + 3
8 = 3 + 5

いっぽうフィボナッチ比率は「次の数で前の数列の数を割る」といった計算で導出されます。

1 = 1 ÷ 1
0.5 = 1 ÷ 2 
0.67 ≒ 2 ÷ 3 
0.6 = 3 ÷ 5 
0.625 = 5 ÷ 8 
0.615 ≒ 8 ÷ 13 
0.619 ≒ 13 ÷ 21 
0.618 ≒ 21 ÷ 34

更に途中からふたつ前の数列の数を次の数で割ると「0.382022…≒0.382」、3つ前の数列の数を次の数で割ると「0.235955≒0.236」となります。

そしてそれらの数値を並べると「0、0.236、0.382、0.5、0.618,0.764,1.0」もしくは100掛けした「0%、23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%、100.0%」といったフィボナッチ比率を得ることが出来ます。

フィボナッチ分析ではそんなフィボナッチ比率を利用します。

フィボナッチリトレースメントの使い方とは

フィボナッチトレースメントは前述しように、フィボナッチ比率とチャートを参照しながら分析していきます。

出典:tradingview

使い方の一例としては、このように「チャート」と『フィボナッチ比率ライン』を見比べながら利用します。

特に注目されるのが『23.6%、38.2%、61.8%』のライン。

使い方としてはそれらラインが『押し目買いのサポートラインとして機能しているか』、『戻り売りのレジスタンスラインとして機能しているか』といった判断基準のひとつとして使われることがあります。

使い方の概要はそんなに難しくありません。

次はフィボナッチリトレースメントの利用方法を確認していきましょう。

フィボナッチでチャート分析するには

Fibonacci Retracementで分析するならトレーディングビューが便利です。

tradingviewは様々な株価やfxなど金融商品、そしてそれらを分析するためのインジケーターもたくさん提供してくれています。

そんなインジケーターの内、フィボナッチリトレースメントも利用可能です。

またフィボナッチ分析における詳細設定も

◆ 100%となる起算点を高値、底値で切り替える
◆ ラインの本数を変える
◆ 背景色の透過度を変えてチャートを見やすくする

という風にカスタマイズできます。

次章ではそんなトレーディングビューにおけるフィボナッチ分析の見方について確認していきましょう。

フィボナッチのテクニカル分析の詳細

tradingviewでフィボナッチを分析する

トレーディングビューでのフィボナッチ分析はまず銘柄入力から始まります。

株価分析なら銘柄入力、fxなら気になる為替ポジションを入力します。

後はインジケータの検索画面で『フィボナッチ』と入力するだけ。

すると候補が出てきます。

ここで『Auto Fib Retracement』を選べば、目的のフィボナッチ分析をすることが出来ます。

トレーディングビューでのフィボナッチ分析の見方

インジケータでフィボナッチ分析を検索すれば、前述したようなチャートを得ることが出来ます。

上図はとある銘柄のフィボナッチ分析チャートですが、0.618のラインから大きく急騰しています。

これはあくまで一例ですが、レンジ相場などで0.236、0.382、0.618などをレジスタンスライン、サポートラインとして勘案しながら参考材料として検討される方もいます。

またトレーディングビューのフィボナッチ分析は更に設定をカスタマイズできます。

最後のその設定方法を見ておきましょう。

フィボナッチテクニカル分析の詳細設定

フィボナッチの詳細設定を施せば、その計算機としての機能を拡張することが出来ます。

詳細設定はフィボナッチインジケータの右側にある歯車ボタンをクリックします。

上図の設定項目をかいつまんで簡単に説明すると

◆ Reverse:高値と底値で起算点を切り替える
◆ Background Tranceparency:ライン間の色の透過度
◆ 数値毎のチェックボタン:必要なラインのみ表示と非表示切り替え可能

といった項目が挙げられます。

自身の必要表示項目を見つけて、ぜひカスタマイズして利用してみましょう。

ファンダメンタルズ分析も活用する

株式投資の材料となる自社株買い

株式投資などであればテクニカルなフィボナッチ分析のなみらず、ファンダメンタルズ分析も利用するのがベターです。

ファンダメンタルズ分析は決算短信などIR情報を用いて、各企業の株価などを分析する手法のひとつです。

とりわけ時折発表される『自社株買い』。

自社株買いはその処理方法などにより、epsやperといった指標にも影響を与えることがあり、ファンダメンタルズ分析では理解必須の項目です。

そんな大切な『自社株買い』の考え方、影響などについても記事にまとめてみました。

興味のある方はぜひご覧ください。

株式投資家が知っておくべき自社株買いの意義や理由とは。

決算発表をアナリスト予想で評価する

ファンダメンタルズ分析でもうひとつ注目すべきが『アナリスト予想』。

アナリスト予想は四半期毎にepsや売上などを算出しています。

そんなアナリスト予想を確認することで、とある企業がマーケットの期待通りに利益、売上を計上出来ているかを推し量ることが出来ます。

ちなみに過去記事では米国株評価のためのアナリスト予想について執筆しています。

決算発表シーズン到来の前に、ぜひファンダメンタルズ分析手法のひとつとして確認してみてください。

米国株価の分析で覚えておきたい証券アナリスト予想とは。

フィボナッチリトレースメントを活用して、銘柄評価に役立ててみよう。