インデックス株式投資など、長期投資を考えているなら知っておきべき『積立や複利計算』。
今日はエクセルやgoogleスプレッドシートなどを用いた、自身で簡単にできる複利計算シミュレーションについて紹介します。
☆ 投資にはリスクが存在します。余裕資金と自己責任でもって検討しましょう。
○ 複利と単利の計算方法の違いとは
○ 株や投資信託の複利計算の効果とは
○ 投資の複利計算はエクセルで簡単に可能
◇ エクセルで複利計算をするには
○ 元本と設定複利で計算するためのシート
○ 元本を求める複利計算の逆算も可能
○ googleスプレッドシートでも複利計算可能
◇ 複利計算をもっと理解する
○ エクセルで積立での複利計算も可能
○ 狙った資産形成になるとは限らない
積立複利計算について
複利と単利の計算方法の違いとは
積立複利計算を確認する前に、まずは複利と単利の違いについて押さえておきましょう。
単利とは変わらない元本へ利率をかけて計算します。100万円を投資元本、年率5%であれば1年後から3年後の資産推移はこんな感じです。
1年後 105万円
2年後 105万円
3年後 105万円
たとえば毎年、年利で増えた分だけ取り崩すと上記のように資産は増減せず推移します。
それでは今度は複利について確認しましょう。100万円を投資元本、年率5%で1年後から3年後の資産推移は以下の通りです。
1年後 105万円
2年後 110万2500円
3年後 115万7625円
複利計算では、年利で増えた分を取り崩さずに投資元本へ加えて資産を増やしていきます。
上記3年後までの例では、単利だと5万円×3年で15万円の利益。複利だと3年後で15万7625円の利益となり、利益額は複利のほうが7625円ほど大きくなっています。
株や投資信託の複利計算の効果とは
上記の例で3年目までだと利益の差異7625円。ここだけ見ると、複利にはあまり効果は無いようにと思うかもしれません。
ちなみに投資元本100万円かつ年利5%で、10年後の複利効果での資産推移は以下の通りです。
10年後 162万8894円
単利だと投資元本100万円+5万円×10年なので150万円になります。10年経過すると、12万8894円の差が出る計算です。
ちなみに投資元本を10倍の1000万円、年利5%で計算すれば、10倍の128万8946円ほど差異が出る計算です。
投資の複利計算はエクセルで簡単に可能
こういった複利計算はExcelで簡単に計算可能です。
計算式さえ把握しておけば、資産推移の予測をいつでも簡単に確認することができます。
またエクセルの計算式コピー機能を使えば、複利の経過年数の変化への対応も簡単にできます。
それでは実際のExcelシートの作成に取り掛かってみましょう。
エクセルで複利計算をするには
元本と設定複利で計算するためのシート
今回は投資元本100万円、年利5%の複利計算シートを作ります。
まずA1に投資元本である1000000を入力。B1へ料率5%なので1.05と入力します。
C1には【=A1 * B$1】と入力します。
次はC2のセルへの入力処理へと移ります。
C2には【=C1 * B$1】と入力します。この処理は前年度に複利で増えた資産へ、年利5%で当該年度の年末の資産を表しています。
ここで大切なのは、【B$1】と入力することで年利の入ったセルB1を絶対参照とすることです。
後はC2の計算式をC10までコピーするだけで、簡便な複利計算シートの完成です。
元本を求める複利計算の逆算も可能
上記の計算シートを使えば、任意の複利効果を狙った元本の逆算も可能となります。
例えば【年利5%で10年後に300万円の資産を形成したい】とします。
やり方としては元本を100万円から150万円、200万円などへと変更してみることです。すると、もう10年後までの計算式が入っているので必要な元本を把握することができます。
ちなみに10年後に年利5%で300万円の資産とするためには、元本は185万円ほど必要なようです。
googleスプレッドシートでも複利計算可能
こういった複利計算は、もちろんgoogleスプレッドシートでも可能です。
googleスプレッドシートはExcel同様に、数値入力や+ – * / といった四則演算記号を使って、計算することができます。
Excelの利用環境がない方は、googleスプレッドシートの利用をオススメします。
ちなみにスプレッドシートの有効活用法は過去記事でも紹介しています。気になる方は御覧ください。
出典:ブロガーにも便利なgoogleスプレッドシートの使い方を解説
複利計算をもっと理解する
エクセルで積立での複利計算も可能
複利効果を狙う上でさらに有効なのが、投資可能額で積立して資産を増やしていくことです。
最近では積立NISAなどの普及もあり、積立と複利での資産増加へ着目されています。
ちなみに前述したExcelシートを工夫すると、複利 + 積立での資産推移も計算することができます。例えば元本100万円、年率5%、毎年100万円さらに積立とすると計算式は下記の通りです。
エクセルシートでは、C2セルへ【=(C1+1000000)*B$1】と入力して、C10まで計算式をコピーしています。下記の計算では100万円×10回の1000万円の投資元本で、10年後には1320万円の資産となっています。
ちなみにこのシートのB1セルへ【1.005】、C2セルの1000000の部分を【10000】へと変更し、C12まで計算式をコピーすれば、【投資元本100万円かつ毎月10000円積立、毎月0.5%上がる金融商品の1年後の価値】も計算することが可能です。
下記の計算では投資元本100万円+1万円×12か月で計112万円。1年後は117万5千円の資産となっています。
狙った資産形成になるとは限らない
複利計算はどうしても希望的観測で年利を決めてしまいがちですが、狙った通りの資産形成になるとも限らないことを覚えておきましょう。
たとえばインデックス長期投資においても、日々価格は変動しており、時には暴落を経験することがあります。
年率換算はある程度の上下動を織り込んで計算するようにしましょう。
年率計算は投資情報サイト『モーニングスター』で、各金融商品の平均騰落率なども参考にしてみると良いかもしれません。
モーニングスターの見方については過去記事で紹介しています。
興味のある方はぜひご覧ください。
出典:国内外ETFや株価情報の収集にお薦めのモーニングスターとは。