株取引を継続するなら、税金面で覚えておくべき【損益通算】。
今日の記事で株式譲渡益や譲渡損失の損益通算を理解して、投資成果を挙げる方法について考えみましょう。
☆投資にはリスクが存在します。余裕資金と自己責任で取り組みましょう。
◇ 株式の税金と損益通算
○ 株式譲渡益の税金20.315%
○ 株式譲渡損失の損益通算とは
○ 株式損益通算で売却損相殺も念頭に
◇ 株式損益通算のやり方
○ 株式特定口座(源泉徴収あり)なら自動で損益通算
○ 株式譲渡損益と損益通算の確認方法
○ 特定口座での自動損益通算は同一年度のみ
◇ 株式損益通算の留意点
○ NISAは損益通算できない
○ 複数年や複数口座の損益通算
株式の税金と損益通算
株式譲渡益の税金20.315%
株式の損益通算の理解を進める前に、株式譲渡益にかかる税金について確認しておきましょう。
現在、株式譲渡益にかかる税金は所得税と住民税合わせて20.315%になります。
この税金は分離課税となっていて一定です。
なお配当に関する税金は配当控除の適用で少し税率が変わる可能性があります。詳しくは配当控除に関する過去記事でも紹介しています。よければ見てください。
株式譲渡損失の損益通算とは
さて、それでは本題の株式譲渡益に関する損益通算について確認していきましょう。
まず例を提示します。たとえば同一年度において下記の譲渡損失が発生したとします。
3/5 A株売却。売却益10000円
4/8 B株売却。売却損10000円。
5/10 C株売却。売却益20000円。
上記であれば同一年度の譲渡益合計は10000-10000+20000で20000円となります。
このように各取引での譲渡損失を合計してくれる存在が損益通算になります。
株式損益通算で売却損相殺も念頭に
上記のように損益通算では譲渡損失を差し引いて譲渡益を計算します。
株式取引きをしていると売却損はつきものですが、売却益が発生しているときに損益通算が適用されれば、売却損まるまるを被るわけではないことを覚えておきましょう。
損益通算を理解して売却損にも冷静に対応しましょう。
株式損益通算のやり方
株式特定口座(源泉徴収あり)なら自動で損益通算
さて、今度は株式損益通算のやり方について確認していきましょう。
結論からいえば、同一年度における損益通算に関しては、特定口座(源泉徴収あり)だと自動で計算してくれます。
特定口座での損益通算では、取引毎の複雑な手続きなどは必要ありません。
株式譲渡損益と損益通算の確認方法
同一年度の損益通算に関して、特定口座(源泉徴収あり)では自動計算してくれますが、損益通算の状況確認についても解説します。
たとえば自身はSBI証券を使っていますが、株式売却後に「譲渡益税徴収・還付のお知らせ」といった書面を交付してくれます。この書面では同一年度中であっても、お取引後の年間損益額といった項目があり、年度中の損益合計を確認することができます。
また特定口座年間取引報告書においても、譲渡損失の合計額や税金還付額を知ることができます。
日頃から書面で詳細を確認しておきましょう。
特定口座での自動損益通算は同一年度のみ
なお特定口座での自動損益通算は同一年度のみということを覚えておきましょう。
たとえば2019年度の取引において、損益合計で相殺しきれなかった損失があるとき、2020年の取引へ自動的に損失を繰り越せるわけではありません。
複数年にわたる損益通算には確定申告など別途手続きが必要です。
株式損益通算の留意点
NISAは損益通算できない
株式の損益通算に関して、いくつか留意点があるので確認しておきましょう。
まずNISA口座での取引での損益は、特定口座との間で損益通算はできません。これはNISA口座での譲渡はすべて非課税であるといった側面があるためです。
非課税で利用できる魅力的なNISA口座ですが、そういった側面もあるので注意しておきましょう。
複数年や複数口座の損益通算
前述したように、今回紹介したのは同一年度の特定口座(源泉徴収あり)での損益通算についての解説になります。
株式損益通算には今回紹介したもののほかに、損失の繰り越しや複数証券会社に関する損益通算も存在します。
それらの損益通算に関しては次回の記事で紹介します。